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「燃費なら日本車」の時代は終わった! 国産車を脅かす好燃費の輸入車4選

「燃費なら日本車」の時代は終わった! 国産車を脅かす好燃費の輸入車4選

ハイスピードの欧州育ちゆえに高速巡航の実燃費はとくに優れる

 最近のクルマ選びでプライオリティが高いのは、自動ブレーキなどの先進・予防安全機能だというユーザーも増えているだろうが、やはり燃費性能も気になるもの。そして好燃費といえば日本車のお家芸と思っているかもしれないが、インポートカー(輸入車)にも燃費性能に優れたクルマは少なくない。最近では、フォルクスワーゲン・パサートに追加されたクリーンディーゼル車のJC08モード燃費が20.6km/Lとなっていることも話題となった。

 輸入車だからといって燃費性能に弱点があるという時代ではない。なかでも、コンパクトカーの燃費性能は、さすがに国産ハイブリッドカーとは差がつけられているが、ガソリンエンジンとして見れば、エコカーとしても十分に比較対象になる性能を実現している。その上、変速比などの関係もあって、とくに高速巡行における燃費はカタログ値以上に伸びる傾向にあるから、ロングドライブ派にとっては見逃せない存在ともいえるのだ。

 では、20.0km/L以上のJC08モード燃費値を実現している輸入コンパクトカーをセレクト、紹介しよう。

1)フィアット500
JC08モード燃費:24.0km/L

 チンクエチェント(イタリア語で500の意)を省略した「チンク」の愛称で知られるフィアットのコンパクトカーは、500としては3代目。日本導入から10年というロングセラーモデルだが、その普遍的なスタイルはまったく色褪せない。カタログモデルとしては1.2リッター4気筒と875ccの2気筒ターボをラインアップするが、燃費性能に優れているのは後者。

 伝達効率に有利なMTベースの5速ATと組み合わせることでJC08モード燃費は24km/Lを実現している。車格的に同クラスの日本車である三菱ミラージュ(正確には、これもタイ生産なので輸入車になる)のJC08モード燃費が23.8km/Lだから、チンクのほうが燃費性能に優れているのだ。2気筒エンジンゆえの振動や少々クセのあるトランスミッションも味だと思えるなら長く付き合えること請け合いだ。

2)スマート
3)ルノー・トゥインゴ
JC08モード燃費:21.7~23.1km/L

 リヤに897ccの3気筒ターボエンジン、もしくは998ccの3気筒自然吸気エンジンを搭載するスマート・フォーツー/フォーフォーとルノー・トゥインゴは基本メカニズムを共通とする兄弟車。いずれのエンジンにも6速DCTを組み合わせるのが基本で、トゥインゴにはMTも設定されている。 

 トゥインゴでカタログ燃費が明記されているのはターボエンジンのグレードのみとなり、その数値は21.7km/L。スマートはフォーフォーのNAエンジンが22.3km/Lで、ターボエンジンが22km/L。ショートホイールベースで2人乗りのスマート・フォーツーではなぜか逆転してしまい、NAエンジン21.9km/L、ターボエンジンが23.1km/Lの燃費性能となる。

 キャビンスペースを確保するためのリヤエンジン採用だが、結果としてコンパクトカーとしては貴重なRWD(後輪駆動)となっているのも特徴で、その点だけをとっても選ぶ価値のあるモデルたちといえる。

4)フォルクスワーゲン up!
JC08モード燃費:22.0km/L

 フォルクスワーゲンのエントリーモデルとして2012年に日本導入が始まった「up!(アップ)」も、2017年のマイナーチェンジによりお色直しで、最新のフォルクスワーゲン・ファミリーらしい内外装にバージョンアップされている。

 パワートレインは999cc3気筒エンジンにMTベースの5速ATを組み合わせたもので、シフトのふるまいにクセはあるものの、マニュアル操作をすることで人馬一体感のある、コンパクトカーらしいキビキビした走りにつなげることができる。1tを切る軽量ボディも燃費には有利な条件で、登場から時間を経ても、22km/LというJC08モード燃費は最新のライバルに遜色ない。ボディバリエーションは2ドアと4ドア、駆動方式はFWD(前輪駆動)のみだ。

 いずれも魅力的な輸入コンパクトカーだが、up!に赤外線センサーを用いる低速域の自動ブレーキが装備され、スマートに車間距離の警告機能が付いているほかは、予防安全機能が設定されないというのは残念。今や、軽自動車でも歩行者を検知できる自動ブレーキが設定される時代、安全意識の高いユーザーには選択しにくいかもしれない。

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