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FF・FR・MR・RR・4WDなどクルマ好きがこだわる駆動方式によるメリット・デメリットとは (2/2ページ)

FF・FR・MR・RR・4WDなどクルマ好きがこだわる駆動方式によるメリット・デメリットとは

走りだけでなく室内の広さなどにも大きく関係してくる

 クルマの駆動方式は今のところFF(フロントエンジン、フロントドライブ)、FR(フロントエンジン、リアドライブ)、4WD、MR(ミッドエンジン、リヤドライブ)、RR(リヤエンジン、リヤドライブ)の5つである。「5つもある」と考えるか、「5つしかない」と思うかは微妙なところだが、それぞれのメリット、デメリットを考えたい。

■FF

●メリット

・エンジン横置き、縦置きともに、かつてのホンダインスパイアなどの例外を除けば、トランスミッションとデファレンシャルが一体(一体になったものはトランスアクスルと呼ばれる)になり、生産性が高く、それに伴い生産コストも低い。

・エンジン横置きのFF車であれば、エンジン、トランスミッション、デファレンシャルがエンジンルーム内にまとまりミッションや後輪に動力を伝えるプロペラシャフトなどがキャビンに入ってくることがないので、小型車でもキャビンとラゲッジスペースを広く取れる。

・ノーズの重さや前から引っ張る駆動方式のため直進安定性に優れる。

●デメリット

・太いタイヤを履いている場合などタイヤの切れ角が確保できず、小回りが利かない(Uターンの際に切り返しが必要になるなど)ことがある。

●まとめ

 昔は激しいタックイン(コーナリング中にアクセルを戻すとクルマがインを向く現象、程度や好みによっては有効な特性)が出るなどフィーリングに悪い意味でクセが強いといったことや、クルマは加速の際リヤに荷重が動くので、FF車は強い加速の際にノーズが浮きやすくトラクションが弱いから大パワーに対応できない、といった弱点もあった。

 しかしここ20年ほどは技術やタイヤの飛躍的な進歩により、シビックタイプRのような300馬力以上あるFFが市販されていることからもわかるように、こういった弱点も払拭されている。そのためメリットの多さが際立ち、今では世界中のクルマの駆動方式の主流はFFになっている。

■FR

●メリット

・前輪に駆動力が掛かっていないため、干渉するものがないスムースかつクリアなステアリングフィールが味わえる。

・前輪が操舵、後輪が駆動と役割が分かれているため、後輪をパワーでコントロールできる(要するにパワードリフトだ)など、コントロール幅が広い。またタイヤの負担や消耗も前後輪で差はもちろんあるが、FFよりは前後の差は少ない。

・前輪の位置の自由度が広いため、オーバーハングの短い横から見たときに美しいプロポーションを作りやすい。

●デメリット

・FFとは対照的にトランスミッション、デファレンシャルが別になり、後輪に動力を伝えるプロペラシャフトが必要になるなど、部品点数が多く、生産性も悪いため、生産コストが高い。

・トランスミッション、プロペラシャフトがキャビンに入ってくるため、キャビンは狭い傾向。

●まとめ

 まとめると広さやコストと引き換えに、フィーリングの良さや趣味性の高さを得られるのがFRだ。そのためメルセデス・ベンツやBMW、ジャガーに代表されるプレミアムカー、トヨタ86&スバルBRZやマツダ・ロードスターといった速さよりもクルマのコントロールに代表される運転する楽しさを重視したスポーツカーがFRを採用することが多い。

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