この記事をまとめると
■トヨタが開発中の新世代エンジンは2系列で電動化を前提に設計される
■小型化と高効率化を実現し燃費・出力の向上を目指している
■カーボンニュートラル時代を見据えた新たな主力エンジンとなるだろう
燃費と出力を両立する新エンジンはどんなモノ?
およそ2年前に、トヨタの中嶋裕樹CTOが「エンジンリボーン」として発表したエンジンは、その後どうなっているのか?
X20と呼ばれることがあるが、まだそれはトヨタの正式な名前ではない。中嶋CTOの発表による直列4気筒エンジンは電動化を前提に新開発されている。排気量は、1.5リッターと2リッターの2種類で、1.5リッターは自然吸気のほかターボチャージャー(過給機)を装備する仕様もあるという。2リッターはターボエンジンの予定だ。
では、トヨタがこれまで使ってきたエンジンとなにが違うのか?
トヨタ広報を通じた回答では、燃焼室形状の工夫と、燃焼工程の最適化により、異常燃焼や排気を抑制し、同時に燃費と出力を両立させるという。そのため、エンジン諸元の基となるボア×ストロークを含め基本構造から見直しているとのことだ。
トヨタ新エンジンの概要画像はこちら
1.5リッターのターボエンジンは、たとえば海外でよく利用される牽引にも対処できる、2.5リッターエンジン相当の性能をもたせるという。2リッターターボエンジンは、トラックからスポーツカーまで、高い出力が必要な車種に幅広く適合させるとのことだ。それは単に馬力を狙うのではなく、実用的なトルク特性を重視し、そのなかで高速への伸びも併せもつ仕様にしていくのではないだろうか。
1.5リッターと2リッターでの3種類のエンジンに共通するのは、エンジン寸法の縮小だ。エンジン性能面で従来型の比較エンジンの水準を満たしながら、体積は10~20%、全高は10~15%小型化する。理由は、外観の造形の自由度を高めるとともに、背の低さは空力性能の向上にも役立つ。
ほかに、カーボンニュートラル燃料との組み合わせも、仕向け地域の実情に合わせてゆくようだ。この先もエンジンの寿命を延ばすだけでなく、クルマの総合性能をより高める動力としてのエンジン像を描いているのだろう。エンジンならではの音・振動・匂いといった五感性能を含め、クルマの楽しさにつなげていくことを目的としている。
トヨタの新型2リッターターボエンジン画像はこちら
8年ほど前、メルセデス・ベンツは新たに直列6気筒エンジンを開発し、モーターと過給機(ターボチャージャーとスーパーチャージャー)を組み合わせ、よどみのない新たな加速感をもたらした。
中島CTOによる発表から2年経つが、まだ搭載車種は明らかにされていない。日本を除いて電気自動車(EV)の新車比率が上昇しはじめている今日、トヨタがどの時期にこの新エンジンを市場投入してくるのか。エンジンファンは待ち遠しいだろう。