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世界中でトーンダウンした燃料電池車の現在と中国の野望

世界中でトーンダウンした燃料電池車の現在と中国の野望

日本・北米・欧州は普及が本格化していない

 時計の針を少し戻そう。いまから3年前、2015年には燃料電池車に関する報道が相次いだ。自動車雑誌や自動車関連ウェブサイトのみならず、新聞や経済系ウェブサイト、そしてNHKなどのテレビニュースでも、燃料電池車の姿をよく見かけたものだ。

 そのなかには、必ずといってよいほど「水素元年」という言葉が使われていた。言い出したのは、経済産業省・エネルギー資源庁だ。

水素元年から3年経って

 国はそれまで、住居や事務所向けの小型燃料電池について、購入補助金の予算をつけるなどして普及を促進してきた。それが、2015年にトヨタ「MIRAI」の量産化を大きなきっかけとして、燃料電池のさらなる普及を狙った。燃料電池で発電するために必要な水素についても、水素ステーションの拡充を進めた。

 それから3年経って、水素ステーションは徐々に増えているとはいえ、「MIRAI」の販売数がドンドン伸びたり、「MIRAI」を追う形で市場導入されたホンダ「クラリティフューエルセル」が人気車になってはいない。それどころか、日産は従来型の燃料電池車開発を中断するなど、日系メーカー全体で燃料電池車の普及に向けた推進力が鈍っている印象がある。

アメリカは全米規模での普及に至らず

 では、世界に目を向けて、燃料電池車の現状を見てみよう。

 まずは、アメリカだ。90年代からカリフォルニア州政府が燃料電池車の普及に向けて積極的な姿勢をとってきた。EVと燃料電池車をZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)として推奨し、ZEV法という法律を制定しているからだ。世界のメーカーが燃料電池車を共同で開発できる施設を作るなど、2000年代までは燃料電池車の普及活動の中心的な存在だった。

 本来、こうしたカリフォルニア州の試みが全米規模に広がっていくはずだったのだが、政治的な背景などもあり、2018年時点でも燃料電池車の普及はカリフォルニア州に大きく偏っている状況だ。

 また、欧州では2000年代に北欧スウェーデンを中心に普及を進めたが、リーマンショックなど世界的な経済状況の変化が影響し頓挫してしまったプロジェクトが多い。

中国は将来的に燃料電池車で世界一を狙う

 こうして、日本、アメリカ、欧州での普及がなかなか進まない燃料電池車。ここに一石を投じているのが、中国だ。2025年までには、燃料電池車の販売台数で世界一を目指すことを国策として掲げている。

 そのため、日本を含めて世界各地からトップレベルの技術者を民間企業や国の自動車研究所に招聘している。年間販売台数3000万台を超えた中国が、このまま燃料電池車も牛耳ってしまうのだろうか?

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