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背高でも凄い! レーシングドライバーが納得する「走り」をもつ現行SUV5選 (2/2ページ)

背高でも凄い! レーシングドライバーが納得する「走り」をもつ現行SUV5選

悪路だけでなくオンロードのハンドリングや静粛性も抜群の5台

 いまや洋の東西を問わず、世界的にSUVブームとなっている。

 そもそもSUVとは何か。SUVとは「Space Utility Vehicle(スペース ユーティリティ ビークル)」の略だ。ところが最近ネットで検索してみると「Sport Utility Vehicle(スポーツ ユーティリティ ビークル)」の略と解説しているものがほとんど。一体いつ誰がこんないい加減な訳をつけたのか知らないが、少なくともSUVが世に出始めた1980年頃はスペースユーティリティと紹介されていた。

 当時のSUVの日産プレーリーや三菱のシャリオなどは乗用車のプラットフォームに3列シートを配し、多目的に他人数を乗せて使えるクルマとしてユーザーから多くの支持を得た。自動車という限られたすスペースをいかに有効に使いこなすかを考え生み出されたことが起源と言える。

 その後1997年にトヨタがハリアーを発売すると市街地でも使える高車高のクロスオーバーモデルとして一気にSUVカテゴリーが注目を集めるようになる。それまで高車高もSUVと言えば三菱パジェロやトヨタ・ランドクルーザーなどラダーフレームを持つ完全なオフロード仕様であることが当たり前で、市街地や舗装路走行には余り適していなかった。

 スペースユーティリティを快適性に使うのか、3列にして他人数乗車に使うのか、あるいは4WDシステムを限られたスペースに配置して踏破性を高めるのかなどさまざまな仕様要件が盛り込まれSUVジャンルは拡大して来たのである。

 こうしてみると3列シートから派生したもの、乗用車から派生したもの、オフロードから派生したものなどの分類ができるだろう。3列シート派生モデルはミニバンカテゴリーを生み出し、これも大義のSUVに分類されてくる。こうしてみても「スポーツユーティリティ」と説くのは意味不明であることがわかるはずだ。もしスポーツを柱にしたいならスポーツSUVと新たにカテゴライズすればいい。

 ということで本項では「スペースユーティリティビークル」との視点から「走りのいい5車」を選出した。

1)マツダCX-8 ディーゼルAWD

 デビュー以来極めて人気が高い乗用SUVを牽引しているマツダCX-5をベースに、ホイールベースを230mm拡張し、3列シート仕様としたのがCX-8だ。

 マツダにはもとよりプレマシーという3列シートの乗用ミニバンがラインアップされていたが、SKYACTIVテクノロジーへの完全移行を機にカタログから消滅。以来3列シートを望む声が多くあり、それに応える形でCX-8が登場した。

 CX-5で培った走りの良さはそのままに3列シート化されている。スタイリッシュな鼓動デザインを引継いでいるため外観からは3列目は狭そうに見えるが、実際に乗車してみると思いのほか広い。室内の快適性は現行CX-5から大幅に向上し、遮音ガラスの採用や防振・遮音材のフル採用などCX-8も引継いでいる。それだけに室内の快適性は驚くほど高く質感も申し分ない。

 そして走りもまた進化している。高剛性なフロアと正確かつ自然な操舵フィールが得られる電動パワーステアリングで、ライントレース性が高く扱いやすい。車重が増したことへの対応からかリヤダンパーマウントが新造され、アルミ鋳造合金のハイクオリティで高価なパーツが採用された。これで2〜3列シート乗車時の乗り心地も格段に向上しドライバーはリヤの接地感を十分に感じながらクルマとの一体感を得られている。このパーツはあまりに有用と判断されたためかCX-3やアテンザにも拡大採用されるようになっているほど。

 エンジンを出力、トルクともにアップし、優れた牽引性能も誇っている。SUVの理想的とも言えるモデルとなっているのだ。

2)三菱アウトランダーPHEV

 ガソリンエンジンで発電し、電気モーターで走るシリーズハイブリッド(HV)システムを搭載。前後2モーターで4輪を駆動できる4WDでもある。アウトランダーのパッケージングスペースを大容量バッテリーと電気モーター搭載に活用し、環境に優しいSUVでありながら本格的なオフロード/オンロード走行を可能としている。

 前後車輪をシャフトで機械的に連結させないことで、自在な出力配分制御が可能であり、三菱が得意とする統合制御も与えられてハンドリングは素晴らしい。その技術と制御は自動車界のノーベル賞ものだと常々思っていたが、三菱はさらに進化を加えようとしているというから期待したい。

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