WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

「取り回しにくい」「税金が高い」はホント? クルマの3ナンバー化を嘆く人がいる理由とは (2/2ページ)

「取り回しにくい」「税金が高い」はホント? クルマの3ナンバー化を嘆く人がいる理由とは

実際に取り回しの良さに起因するのは「ミラー・トゥ・ミラー」

 カローラが3ナンバーになった。日本の大衆車として生まれたカローラは5ナンバー(小型車枠)を守ってきたが、ついに全幅1700mmを超えたのだ。それでもグローバルモデルに比べると日本仕様はナローボディではあるが……。

 ところで、歴代のカローラオーナーに限らず、5ナンバーであることにこだわるユーザーは少なくない。はたして、そこに合理的な意味はあるのだろうか?

 まず、「5ナンバーは取り回しやすい」といわれる。たしかに古くからの住宅街など道の狭いエリアではボディサイズは取り回し性にダイレクトに影響する。しかしながらミリ単位ですれ違うようなシチュエーションでない限り、全幅における50mm程度の違いであれば実際にはほとんど差として感じられないはずだ。

 また、一般論でいえば適度にボディ幅を広げることはハンドル切れ角を増やしやすい。これはエンジンベイとタイヤまでの距離を取りやすくなるためだ。つまり、リアルワールドでの小回り性能については5ナンバーボディだから必ず優れているとはいえない。

 そもそも実際に問題になるボディ幅というのはドアミラーを含めた、いわゆる「ミラー・トゥ・ミラー」の幅である。車検証やスペック表のボディ幅にはドアミラーは含まれていないため、わかりづらいがミラー・トゥ・ミラーで比べると5ナンバーの乗用車のほうが幅広いなんてことも珍しくない。

 全幅1.8m級のモデルが狭い道で扱いづらいというのは事実だろうが、1695mmと1745mmを比べて、取り回し性で明らかな差がつくシチュエーションというのは滅多にないだろう。

 とはいえ、ギリギリの状況になるとその50mmの差を大きく感じることもある。とくに古い設計で、5ナンバーを前提にした駐車場の家屋などでは、そうしたわずかな差が、止めづらさやドアの開けづらさにつながる。なお、新型カローラではドアの開き方に工夫をして、そうした不満を解決しようとしている。ともかく、5ナンバーサイズを前提とした駐車場に“確実に収まる”という安心感をもたらすという意味では5ナンバーのクルマを選ぶインセンティブになるであろう。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了