この記事をまとめると
■夏場のレースシーンはピットも車内も外気温以上の暑さにさらされる
■レーシングドライバーは日頃からレースを想定した暑さ対策を行っている
■各ドライバーに暑さ対策でどんなことをしているのか直撃した
知られざるレーシングドライバーの暑さ対策
暑熱順応あるいは暑熱順化という言葉をご存じだろうか? 身体を数日間かけて暑さに慣らし、汗のかき方や血流などを変えて熱中症になりにくい状態に適応させることで、じつに多くのプロスポーツ選手がこれを実践。サウナルームでエアロバイクを漕ぐなど暑熱順応トレーニングを行っているが、レースシーンで活躍するプロドライバーたちはどのようなトレーニングを行っているのだろうか?
夏場の車内は室温が高いうえ、ドライバーはヘルメットやレーシングスーツ、グローブ&シューズなどを着用しなければならないが、レーシングドライバーはどのようにこの過酷な環境に対応しているのだろうか?
97号車に乗る佐藤 蓮画像はこちら
というわけで、ここでは7月24〜26日に大分県のオートポリスで開催されたスーパー耐久シリーズ第5戦「スーパー耐久レース in オートポリス」でプロドライバーたちを直撃。暑熱順応トレーニングの方法やレース中に飲むドリンク、さらにドライビングのあとのクーリングの方法などを聞いてみた。
まず、話を聞いたのが、Team SDA Engineeringの61号車「SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II」でST-Qクラスに挑む井口卓人選手。
「汗をかくために、なるべく暑い場所や時間に仕事をしています。ランニングもルームランナーとかではなく、外で走るようにしていますね」とのこと。さらに、チームメイトの山内英輝選手も「暑いほうが息苦しいですよね。そのなかで心拍を上げたいので、僕もトレーニングは昼間の暑い時間帯に自転車を漕ぐようにしています」と語る。
Team SDA Engineering 61号車「SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II」井口卓人選手(右)画像はこちら
ちなみにレース中に摂取するドリンクについて、山内選手によれば「僕らは味の素さんのアミノバイタルのサポートを受けているので、それを飲むようにしています」とのことである。
また、「夏はなるべく暑いところにいるようにしています。よくイベントでは“今日は暑いので涼しいところで休んでください”と勧められるんですけど、外にいることが大事かな……と思います」と語るのは、M&K Racingの97号車「Racer ホンダカーズ桶川CIVIC」でST-TCRクラスに参戦した野尻智紀選手で、チームメイトの佐藤 蓮選手は、「僕は積極的に暑い時間帯にレーシングカートに乗るようにしています」と語る。
M&K Racing 97号車「Racer ホンダカーズ桶川CIVIC」野尻智紀選手画像はこちら
一方、セッション前後のクーリングに関しては、「普段は暑いところにいる一方で、サーキットでは暑いところにいると体力が奪われるが故に暑いところを避けていますが、涼しくしすぎるとレーシングカーの車内の温度と差が激しくて順応しにくくなるので適度な感じにしています」と野尻選手が語れば、佐藤選手も「僕もパドックでは体力温存を意識して、あまり暑くないところにいるようにしています」と付け加える。
M&K Racing 97号車「Racer ホンダカーズ桶川CIVIC」佐藤 蓮選手画像はこちら