暑い車内にヘルメット+レーシングスーツの灼熱地獄! プロのレーシングドライバーはどうやって暑さ対策をしているのか? (2/2ページ)

灼熱の車内を想定して日頃からトレーニング

 そして、暑熱順応トレーニングを積極的に行っているドライバーが2016年のアジアン・ル・マンでGTクラスのチャンピオンに輝いたほか、現在はLOVEDRIVE RACINGのアドバイザー兼ドライバーとして、50号車「LOVEDRIVEロードスター」でST-5Rクラスに参戦している澤 圭太選手だ。

「夏の炎天下にスーパーで買い物をしたあと、駐車場に止めておいたクルマに乗り込みますよね。レーシングカーの室内はちょうどそのときのような感じで、それがセッション中もずっと続きます。エアコンのついたレーシングカーもありますが、量産車のエアコンと違って冷えることはありません。イメージ的には送風ぐらい。ヘルメットやレーシングスーツを着ているので、かなり暑いですね」と前置きした上で、暑熱順応トレーニングについて、次のように説明してくれた。

「サウナに入って、たまに腕立て伏せをしたりしますが、サウナは好きで入っている面もあるので、ちょっとトレーニングとは違いますね(笑)。で、トレーニングとしては夏の暑い時間に歩いたり、走ったりしています。クルマで飲みに行って、タクシーで帰ることが多いんですけど、その場合、次の日の昼間の暑い時間にジョギングしながらクルマを取りに行っていますね。あとは炎天下のなかでゴルフをします。脱水症状や熱中症で倒れるギリギリのところを把握しておけば、やばいときのサインがわかるし、そうすれば夏場のレース中もギリギリまで攻めることができるので、そういった感じでトレーニングをしています」

 まさにプロならではの過酷なトレーニングだが、クーリングも重要で「水風呂で身体を冷やすことも効果的ですが、氷水の入った氷嚢を脇の下に挟むと一気に体温が下がる感じがわかります」と澤選手は語る。

 さらに、レース中に飲むドリンクとしては「レース前日のお酒の量を減らして、カフェインもあまり摂らないようにしています。脱水症状には経口保水液がいいと思いますが、僕の場合、レース中は薄めのスポーツドリンクを飲んでいます。でも、冷たすぎると身体に水分を吸収できないので、水温としては8度から15度ぐらいが理想です。キンキンに冷やさずに、ちょっとぬるいぐらいの水温にして飲んでいます」とのことだ。

 このようにプロドライバーは、それぞれのスタイルで夏場の猛暑に対応。事実、オートポリス戦は体温を上まわる猛暑のなかで5時間のレースが開催され、数名のドライバーはセッション終了後に倒れ込むシーンも見られたが、プロドライバーたちは自分のセッションで素晴らしいパフォーマンスを披露していた。

 近年の日本は酷暑日が多いだけに、参考にしたいものだが、過度なトレーニングは熱中症の原因になるだけに、無理のない範囲で取り組みたいものだ。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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