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そのとき何が起こった? 突然火が付き「売れに売れた」マイナー輸入車3台 (2/2ページ)

そのとき何が起こった? 突然火が付き「売れに売れた」マイナー輸入車3台

輸入車ブームに乗って爆発的に売れたモデルも存在!

 あるとき突然、売れまくった輸入車がある。それまで注目されていないブランド、車種、あるいは人気が一気にブレークした車種である。

1)オペル・ヴィータ

 いまでもなつかしく思い出し、近々、日本に再上陸するドイツのオペルが、1995年に日本で販売を開始した、オペル・ヴィータもその1台だろう。クラスとしてはVWポロのライバルとなるコンパクトカーだが、可愛いベイビーのメロディーに乗せ、「可愛いVITA~♪」というコマーシャルソングはともかく、当時の新規輸入車としては爆発的に売れたのだ。

 その理由のひとつは、1990年前半は空前の輸入車ブームが到来していて、それまで国産車に乗っていたユーザーが輸入車に傾倒していった時代だったのだ。何しろ価格は当時の輸入車としては破格の150万円台から。日本車との価格差はないに等しい値付けであり、それこそ、これまでヤナセの門をくぐるのをためらったような、国産コンパクトカー、軽自動車ユーザーからの乗り換えもあったようだ。

 ドイツ車であり、デュアルエアバッグなどの安全装備も充実していたから、注目されないわけがない。我々自動車ジャーナリストもオペルを大いに盛り上げたものだ。ちなみに、オペルのヨーロッパ試乗会には何度も参加させていただいたのだが、開発陣にオペルの魅力は? と聞くと、「想像したより、ちょっといいクルマ」と控えめに答えてくれたことを今でも覚えている。

 輸入元はオペル・ジャパン(日本人の井沢社長)だったのだが、販売を日本の輸入車総合デパート的なヤナセが担当することで、価格的な魅力から国産車からの乗り換えユーザーはもちろん、ヤナセの顧客の奥様、お嬢様専用車としての需要も拡大していったのである。

 ヴィータ人気を押し上げた理由はまだまだある。なんとデザイナーはGM日本人デザイナーの児玉英雄氏。キュートデザインとともに、日本人が親しみを感じて当然だ。その後も、TBSドラマ「ビューティフルライフ」でヒロインの愛車として真っ赤なヴィータが登場したのも、人気の再来を決定づけた要因だろう。当時、売れすぎて在庫がない時期もあったと聞く。

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