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世界が電動化へ「まっしぐら」の中なぜ逆行! ホンダが「クラリティ」のEVを生産終了したワケ (2/2ページ)

世界が電動化へ「まっしぐら」の中なぜ逆行! ホンダが「クラリティ」のEVを生産終了したワケ

クラリティ3兄弟の末弟として北米のみで販売されていた

 ホンダから登場した電気自動車「Honda e」が好調だ。もともと年間の販売計画が1000台と控えめなこともあるが、先行予約が始まって早々に同車の公式サイトには『注文受付数が第一期の販売予定台数に達したため、ただいまご注文を一時停止させて頂いております。』という注意書きが出るほど注目を集めている。

 さて、その陰で、ひっそりと販売を終了したホンダの電気自動車があるのをご存じだろうか。それが北米専売といえる電気自動車「クラリティ・エレクトリック」だ。

 日本では「クラリティFUEL CELL(水素燃料電池車)」、「クラリティPHEV(プラグインハイブリッド車)」というパワートレインの異なる環境対応モデルとして販売されいているが、その兄弟分として北米では「クラリティ・エレクトリック」というモデルが販売されていたのだ。燃料電池車とプラグインハイブリッド車という電動車両と基本設計を同じくする電気自動車というのが基本コンセプトで、事実上の北米専売モデルながらじつは日本製。生産性の効率化を考えた電動車3兄弟の末弟といえる存在だった。

 このクラリティ・エレクトリック、テストコースで試乗したことがある。エンジンを搭載することを前提としたフロントベイのため、ボンネットを開けるとスカスカなのはパッケージとしての無駄を感じたが、商品コンセプトからすればそれは仕方ないことだ。

 それよりも気になったのはパフォーマンスの違いで、バッテリーの性能や航続距離を稼ぐセッティングによって、燃料電池車、プラグインハイブリッド車に対して加速が鈍く、電気自動車らしい鋭いダッシュが味わえないという印象もあった。25.5kWhという控えめなバッテリー総電力量から高出力にするのは難しいのは理解できても、もっとキビキビ感があれば商品性も高まるのでは?と感じた記憶がある。

 さらにいえば、アコードクラスのボディながら、近距離ユースをメインターゲットにするという設計思想は若干ちぐはぐ感のあるもので、航続可能距離も143km(北米でのスペック)というのは、あまりにも寂しいものだった。“街乗りベスト”を目指したというHonda eでさえ35.5kWhものバッテリーを積んで、WLTCモードで283kmの航続距離を誇っているのだ。クラリティ・エレクトリックを商品企画として考えたタイミングでのトレンドから市場は大きく離れてしまった。

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