この記事をまとめると ■ポルシェ 初のEV向けマンタイキットを設定
■空力デバイスと足まわりを刷新し性能を大幅向上
■ニュルで従来記録を12秒更新し速さを証明した
ポルシェ最強EVがさらなる進化 ポルシェGTモデルのオーナーにとって「マンタイ」は特別な響きをもつ言葉だ。GT3、GT3 RS、GT4 RSなどのサーキット志向モデル向けに、ポルシェとモータースポーツの名門マンタイ・レーシングが共同開発したサーキット走行用アップグレードパッケージであるマンタイキットは、空力、サスペンション、タイヤを総合的にチューニングしてサーキットでの限界性能を引き上げるものだ。
このキットは、これまでガソリンエンジンのGTモデルのみを対象としてきたが、その常識が覆された。ポルシェは初めて電動スポーツカー向けのマンタイキットを開発し、タイカン ターボGT ヴァイザッハパッケージをさらなる高みへと引き上げたのだ。
マンタイキットの中核をなすのは、徹底的に見直された空力デバイスだ。200km/h走行時のトータルダウンフォースは標準モデルの95kgから310kgへと3倍以上に増大し、最高速度310km/h(標準より5km/h向上)での走行時には最大約740kgのダウンフォースを発生させる。
ポルシェ・タイカンターボGT ヴァイザッハパッケージ 画像はこちら
主要エアロパーツは、拡大されたエンドプレートをもつ新設リヤウイング、最適化されたフロントディフューザー、延長フィン付きリヤディフューザー、アンダーボディの拡大型エアデフレクター、そしてリヤホイールに装着するカーボン製エアロディスクといったところ。リヤウイングとフロントディフューザーはダウンフォースを大小ふたつのセットアップから選択できる。
今回のマンタイキットがこれまでのGTモデル向けのものと根本的に異なるのは、パワートレインにまで介入した点だ。システムの最適化により、走行中の最大放電電流が1100Aから1300Aに増大。出力は20kW増の600kWとなり、ローンチコントロール使用時の最大トルクは30Nm増の1270Nmに到達する。さらに「アタックモード」発動時にはこれを上まわる最大130kWの追加出力が10秒間利用可能となり、瞬間的な出力は730kWまで達する。
ホイールとタイヤも徹底して見直された。新開発の21インチ「マンタイ」デザイン鍛造アルミホイールは、大径化にもかかわらず標準より軽量で、チタン製ホイールボルトとの合計でヴァイザッハパッケージの軽量ホイールからさらに3kg以上の削減を達成。タイヤはピレリ P ZERO トロフェオRSで、フロントは標準比4サイズアップの305幅、リヤは3サイズアップの335幅を採用する。
タイカンターボGT ヴァイザッハパッケージ 画像はこちら
ブレーキはフロント440mm・リヤ410mmへとディスク径を拡大し、高性能ブレーキパッドを採用。ポルシェアクティブライド、前後輪操舵、4WDのセッティングも専用にチューニングされる。
それらの結果は、すでに数字で証明されている。ポルシェのテストドライバー、ラース・カーンがマンタイキット装着車のステアリングを握り、20.832kmのニュルブルクリンク北コースを6分55秒533でラップしてみせた。これは電動エグゾーティブカークラスでシャオミSU7ウルトラの保持していた従来記録を9秒以上更新する新記録であるとともに、かつてラース自身がヴァイザッハパッケージ装着のタイカンターボGTで記録した7分07秒55をじつに12秒更新する記録でもある。
ニュルブルクリンクで記録達成 画像はこちら
このマンタイキットは、タイカンターボGT ヴァイザッハパッケージの全車両を対象として6月より注文受付を開始している。