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レーシングドライバーも驚愕! ホンダ・フィットに「隠された」外から見えない「スゴ技」とは (1/2ページ)

レーシングドライバーも驚愕! ホンダ・フィットに「隠された」外から見えない「スゴ技」とは

フィットの進化にエンジニアの努力のあとが見受けられる

 エクステリアデザインやインテリアなど、クルマを印象づける特徴は「目に見える」部分であることが多い。かっこいいフロントマスクや流麗なルーフライン、オーバーフェンダーやリヤウィングなども見れば一目瞭然。しかし、乗ってみると思っていたイメージとは違ったりしてがっかりすることもある。今回は通常では目に見えない部分に着目し、クルマの特徴を解説してみたい。

 ホンダは新型フィットを昨年末に登場させた。すっきりした車体デザインは旧モデルから大きくイメージチェンジし、ビギナーやファミリー層にも親しみを持たれる柔らかい雰囲気に仕上がっている。この新デザインの裏で、いかなる技術が盛り込まれているのか紹介してみよう。

 まず特徴的な細いAピラー。従来ルーフデザインとのワンモーション化を図りAピラーは太く頑丈なタイプが採用されていた。これは前面衝突時の衝撃を受け止め車体全体に受け流す衝突安全上でも重要な役割を果たしていたのだ。しかし太いAピラーは斜め前方の視界を遮り死角を生み出してもいた。

 そこで新型フィットではAピラーを極細とし前方にワイドに広がる視界を確保したのだ。言葉にするのは簡単だが、その実現の裏にはエンジニアの多大な努力がある。Aピラーの太さを従来50〜100mmほどあったところを30mm程度に抑えた。そこに前面ガラスとコーナーグラスを二方から接着しなければならず、外からは見えないピラー切断面を工夫して頑丈かつ効率的なガラス配置を可能としたのだ。

 また前面衝突エネルギーが細いAピラーに伝わらないようにボディ構造を見直し、フロントサブフレームからキックボードを経由してドア前側を支えるA‘(エーダッシュ)ピラーを極太化して対衝撃性を確保したという。その複雑で高度なボディワークは外からは見えない。

 また細くなったAピラーは前面ガラスからサイドへと気流を流す分岐点ともなる。そのコーナー表面は絶妙なラインを描き視覚的な美しさを得ながら空力特性も磨き上げなければならなかった。そこでホンダは栃木にある研究所内に実車スケールの超大型高性能風洞実験棟を建設し稼働させている。5ムービングベルトを持つこの風洞試験機は車高を変化させることができ、またタイヤ交換を試験機上で容易に行えるなど最新の設備となっている。

 実際には新型フィットのディテールを決定する過程ではまだ稼働していなかってが、これから新型フィットも多くの風洞実験を受け、空力特性はさらに磨き上げられていくことになるだろう。

 ホンダは「さくら研究所」にもムービングベルトを備える実車風洞試験設備を持ち、こちらではF1マシンの空力テストも行っている。これで計3機の風洞実験設備を備えることになったという。

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