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メーカーの努力不足もある! ミニバンやSUVの存在だけじゃない「セダン危機」の理由 (1/2ページ)

メーカーの努力不足もある! ミニバンやSUVの存在だけじゃない「セダン危機」の理由

クルマの基本形はセダンではない

 最近はセダンについて消極的な話題が多い。ホンダの最上級車種となるレジェンドは、狭山工場の閉鎖に伴って廃止される。車種の廃止によって生産工場を閉じるなら理解できるが、工場の閉鎖でクルマを終了するのは本末転倒だ。

 このほかクラウンをSUVにするとか、スカイライン終了の報道を受けて日産が否定するなど、セダンが粗雑に扱われている印象を受ける。

 今はクルマが日常生活のツールになったので、確かにセダンは不利だ。居住空間の後部に背の低いトランクスペースを繋げるボディ形状は、スペース効率が低い。

 そもそも1930年頃までのクルマのボディ形状は、ミニバンのような箱型だった。その後部に荷台を付けて、荷物を載せるようになり、これが流線形のトレンドに沿ってボディに取り込まれた。これが今のセダンスタイルに繋がっている。

 つまり、クルマのボディ形状を振り返ると、最初はミニバンスタイルで、その後にカッコよさで付加価値を高めたセダンの時代が訪れ、再びトランクスペースを持たないミニバン(あるいはSUV)のスタイルに戻った。そうなればもはやセダンの復権はあり得ず、売れ行きが下がるのも当然だ。

 乗用車のカテゴリーを販売台数で見ると、1990年頃まではセダンが圧倒的に売れ筋だったが、1990年代の中盤からミニバンが増え始めた。2000年以降は背の高い軽自動車、コンパクトカー、直近ではSUVが急増している。

 その結果、乗用車市場における今のセダン比率は約8%だ。軽自動車の38%、コンパクトカーの25%に比べて圧倒的に少ない。それでも伝統のカテゴリーとあって車種数は相応にあるから、1車種当たりの売れ行きが少ない不人気車が目立つ。

 ちなみに1990年には、クラウンは1か月平均で約1万7000台を登録した。この時のクラウンは8代目のモデル末期だったが、2021年上半期(1〜6月)のN-BOXに匹敵する台数を売っていた。今のクラウンに比べると8倍に相当する。

 スカイラインは、1973年にケンメリの愛称で親しまれた4代目が、2ドアハードトップなども含めて1か月当たり約1万3000台を登録した。現在は1か月に330台くらいだから、当時のスカイラインは今の約40倍も売られていた。

 セダンの売れ行きが下がった一番の理由は、前述の通り、ミニバン、SUV、背の高い軽自動車など、空間効率の優れたカテゴリーに需要を奪われたことだ。1990年代に入ってセダンが飽きられ始めた頃、タイミング良く前述の新しいカテゴリーに属する車種が普及を開始したから、セダンの売れ行きは一気に下がった。

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