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珍車なのか名車なのか? GRMNやアストンマーティンへのOEM車もあった「トヨタiQ」の衝撃 (2/2ページ)

珍車なのか名車なのか? GRMNやアストンマーティンへのOEM車もあった「トヨタiQ」の衝撃

発売後1カ月の累計受注台数はなんと約8000台!

 今、EVのマイクロカーが話題になっているが、じつはもう13年以上前の2008年10月、トヨタは新型車として 従来のサイズの概念を打破することを目指し「超小型ボディに、卓越した性能を凝縮し高い質感を備えたマイクロプレミアムカー、iQをデビューさせていた(2009年より欧州での販売を開始)。

 全長は軽自動車より短い2985mm。全幅は5ナンバー枠に余裕で収まる1680mm。全高は立体駐車場への入庫も容易な1500mmというもので、そんなミニマムなボディに4人が乗車可能な超高効率パッケージを実現。当初は1リッターエンジンのみの搭載で、同排気量トップレベルの燃費性能を誇るとともに、3.9mという世界最初レベルの最小回転半径を実現。さらに世界初のSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグを含む9個のエアバッグやS-VSCを全車に標準装備するなど、高い安全性能を兼ね備えていたのである。

 そんなiQにはデザイン的にも見るべき点が多く、巻き貝や波紋などをもとに作られた数理モデルを用い、自然界の造形美を活かした線や面を内外装デザインに採用。インテリアでは海中を優雅に舞うマンタをモチーフとしたセンタークラスターやドアトリムによって、質感ある室内空間を演出。

 ミニマムな2+2の室内空間ながら、ステアリングギヤボックスの上方配置やエアコンの大幅な小型化とそのインパネ中央部配置によって助手席側足もとスペースを拡大。結果、スライド位置を前方に出しやすくなり、助手席側の後席の足もとにゆとりをもたらすなど、パッケージ的にもアイディア満載、優れていたのである。乗車定員は4名ながら、実際には最大で大人3名+子供1人(後席右側)の乗車が推奨されていた(というか、大人4人はまず乗れない)。

 駆動方式はFFでミッションはCVTのみ。価格は140~160万円。販売開始時点での月販目標台数は2500台と控えめ。

 ところがだ。2008年11月には早くも(財)日本産業デザイン振興会が主催する2008年度グッドデザイン賞大賞〔内閣総理大臣賞〕を受賞!! 発売後1カ月の累計受注台数はなんと約8000台と、好調な立ち上がりを見せたのだった。一見、キワモノ的なクルマだが、当時の人気は絶大。軽自動車とは違うセカンドカー、サードカーとしての需要が盛り上がったというわけだ。

 そして2009年6月には、驚くべきニュースが飛び込んできた。トヨタはiQのバリエーションを拡大すると発表し、まずは国内向けにGR(GAZOO Racing)モデルを追加。さらに欧州向けとして、トヨタの欧州における事業統括会社のToyota Motor Europe NV/SA(TME) を通じ、英国アストンマーチンにiQをOEM供給することになったのだ!! そう、アストンマーチン・シグネットである。

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