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「ドアノブどこ?」なクルマも存在! 「回すレバー」「フラップ」「グリップ」ときて……クルマのドアハンドルの進化がスゴイ!! (1/2ページ)

「ドアノブどこ?」なクルマも存在! 「回すレバー」「フラップ」「グリップ」ときて……クルマのドアハンドルの進化がスゴイ!!

この記事をまとめると

■クルマのドアの開閉のために装着されるドアハンドル

■時代とともにその形状は変化している

■そこで今回はドアハンドルの変遷を振り返る

フォードT型にはレバータイプが採用されていた

 クルマのドアを開ける時に、手で引っぱる部分がドアハンドルもしくはドアノブですね。いつも何気なく手を出して開け閉めしているかもしれませんが、じつはクルマのドアハンドルにはさまざまな変遷の歴史があるのです。

 世界最古の量産自動車メーカーであるフランスのプジョーが、最初に製作したガソリンエンジン車「クアドリシクル」には、まだドアがありませんでした。1890年代のことです。その後、ドアがついたモデルが確認できるのは1900年代頃からで、棒状の突起物を握って回すレバータイプが多く見受けられます。これは住宅のドアのアンティークパーツなどを見ても、ゴールドで掘り模様があしらわれたようなレバータイプのドアハンドルが多いので、イメージしやすいのではないでしょうか。史上初の量産車とされているアメリカのフォードT型も同様にレバータイプが採用されています。

 その後いつ、別のドアハンドルが登場するようになったのか。これを確認するのは至難の業ではあるのですが、1930年代のフォルクスワーゲン・タイプ1のルーツとなるモデル、VW3を見ると、レバータイプではなく、グリップタイプが採用されています。そして1950年前後のプジョー車を見ても、同じようにグリップタイプとなっており、欧州で主流となっていったことが伺えます。

 では国産車はどうかというと、1930年代のダットサンはまだ回すタイプのレバー式。1950年代に入り、グリップタイプに変わっていることがわかります。この頃のプリンス・スカイラインもグリップタイプでしたが、そこから1970年代になると、ホンダ・シビックやトヨタ・パブリカ、スバル・レオーネといったモデルたちが続々と、フラップタイプのドアハンドルで登場。フラップタイプというのは、飛行機の主翼後端にある上下に動く部分をフラップというところからきた名前で、フラップの下から手のひらを上に向けた状態で手を差し込み、フラップをつかんで手前に引くことでドアを開けるものです。

 このフラップタイプが一気に主流となった理由としては、まず構造が簡単なこと、コストが安価に済むこと、出っ張りがなく見た目にもカッコいいこと。デザインの自由度も高く、色やカタチがよりそのモデルのイメージに合わせられるため、ボディラインを邪魔しない、またはあえて特徴的なデザインにすることもできました。この流れは1990年代に入っても続き、トヨタならクラウンマジェスタ、ランクル、日産ならシーマ、スカイラインといった高級車も採用。クラウン、スカイラインを例にとれば、2003年に登場したスカイラインクーペ、ゼロクラウンでグリップタイプに切り替わっています。

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