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名前はよく聞くけどどんな素材? クルマの「インテリア表皮」代表的な8種の特徴とは (2/2ページ)

名前はよく聞くけどどんな素材? クルマの「インテリア表皮」代表的な8種の特徴とは

この記事をまとめると

■クルマの車内にはさまざまな素材が使用されている

■シートに使用される布やレザーは、同じに見えてもそれぞれ違いがあり名前も異なる

■撥水性や難燃性、通気性や耐久性が素材によって大きく異なる

車内に使われる生地には豊富な種類が存在!

 クルマの外観は、乗ってしまえば見えなくなりますが、長い時間を過ごす車内はずっと目に入ります。ということで、近年はインテリアに使われる素材の質感が上がったり、エコ素材を取り入れたり、軽自動車やコンパクトカーでもインテリアのデザインや素材にチカラを入れているクルマが目立つようになってきました。

 とくに身体に触れる部分が大きいシートや、スイッチを押すときに目に入るパネルなどの素材にこだわるメーカーが多く、さまざまな素材の名称を聞くようになりましたが、ぶっちゃけ「なんとなくわかったつもり」になっていませんか? 今回はそれぞれの素材の特徴をいま一度、おさらいしてみたいと思います。

1)トリコット

 まずはファブリック系の素材からは、ニットのような温かみと味のある模様などでシートに使われることが多い、「トリコット」。これは生地のなかでも織物ではなく「編物」に分類され、その編物のなかでもさらに、緯編(ヨコアミ)ではなく経編(タテアミ)に分類されるもの。経方向に連続したループを形成させることで生成した生地で、そのループが大きめな「デンビー編み」、 ジグザグな編み目となる「コード編み」、ぎゅっと細かいループが詰まったような「アトラス編み」が基本の組織。

 特徴としては、ストレッチ性がありシワになりにくく、通気性にも優れる編物の長所と、高密度でハリ・コシがあり形状安定性に優れる織物の長所を併せもつため、イージーケア素材といえるところがあります。

 もともとは、1775年にイギリスで発明された織物がトリコットで、日本では1899年に初めてドイツ製のトリコット機が導入されたのだそう。いまではクルマの内装素材だけでなく、スポーツ・フィットネスウェアやワークウェア、医療関連材料など幅広く使われている素材です。

2)織物ジャージ

 続いて、軽自動車やミニバンなどによく使われている汚れに強いファブリック、というイメージの「織物ジャージ」。よく、ファッションの世界ではジャージーと呼ばれる素材を耳にすることがありますが、そちらはもともとイギリスのジャージー島が発祥となっている編物の素材。

 ですが、クルマに使われているのは平織といって、経糸と緯糸を交互に織りあげる繊維で作られた素材です。学校の体育で着るようなジャージに似た手触りで、さらっとしているものが多いのですが、柔らかいものからコシのある固めのものまでさまざまな織物ジャージがあります。

3)モケット

 次に、昔ながらの映画館の椅子を思い出す、高級感のあるファブリックである「モケット」。表面に艶があり、やや起毛しているのでしっとりとした手触りが特徴です。それは、モケットがウールのパイプや化学繊維を織り出し、布の片面のみ模様を施す、パイル織物の一種だから。

 モケットは、パイル糸が前後左右に動き、経糸と緯糸が直接モノに触れることがなく、傷みにくく耐久性に優れています。また、パイルの間に空気が含まれるため、蒸れにくく適度に暖かいことや、水に濡れても染み込みにくく、滑りにくいという特徴もあるので、新幹線やバスといった乗りもの全般に多く使われているのです。

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