気がつけばクルマの室内がみすぼらしい! 外観は再塗装にワックスにコーティングと色々あるけど内装のボロさはどう修復すればいい? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ダッシュボードなどの内装は紫外線や熱(暑さ)によって劣化しやすい

■市販のケミカル類を使ったり塗装や社外パーツを使うと手軽にリメイクできる

■新品パーツが出るようなクルマであればいっそのこと交換してしまうのもオススメだ

ボロくなった内装はどうすればリメイクできる?

 長く同じクルマに乗っていると、いろんな場所にヤレが見え始めてきます。たとえばヘッドライトの曇り、たとえばルーフの日焼けや色あせ、黒い樹脂やゴムの部品にツヤが無くなって白っぽくなったりもしますね。

 そして、ヤレが出始めてくるのは内装も同じです。ダッシュボードの上面が日焼けで色あせていたり、ツヤがなくなってきたり、ひどい場合は硬化してひび割れたりする場合もあります。あるいはよく触れる場所が摩耗してシボが消え、ツルツルになってしまうこともあるでしょう。

 乗り替えられればいちばんラクですが、愛着があってまだまだ乗りたいという場合は補修してキレイにリフレッシュしてあげたくなります。

 ここでは、部品交換という大がかりな作業をなるべくしないで、できるだけヤレが目立たないようにリフレッシュできる方法を探ってみたいと思います。週末にDIYで愛車の整備を考えている人は、いっしょに作業プランを検討してみてください。

■その1:つや出しケミカルを使ってみる

 内装パネルがヤレてきたなと感じるいちばんの要素は、色が褪せてツヤがなくなってきた状態です。

 この色あせやツヤがなくなる原因は樹脂の劣化でしょう。樹脂はサビたり腐食したりはしませんが、紫外線に長時間当たり続けると表面から劣化が始まりますし、真夏の強烈な日差しによって室内が高温になると、樹脂の組成が緩んで劣化を招きやすい状態になってしまいます。

 こういった紫外線や熱などの刺激を長い間受けていると、樹脂の表面から劣化が始まり、その結果ツヤが無くなったり色が褪せたりしてしまうのです。

 人間でたとえると、歳を取って皮膚のうるおいが減っていき、冬場などの乾燥する時期に表面がカサカサになってしまうのと似ています。皮膚ならハンドクリームや化粧水などでうるおいを補充してあげればある程度は元のうるおいのある状態に戻せます。

 それと同じことをクルマの部品で行えるのが「光沢復活剤」などと呼ばれるケミカルです。

 じつはこの方法はけっこう昔からありました。「アーマーオール」という名前に馴染みがあるという人は50代以上でしょうか。樹脂や合成皮革の色あせに、シュッと吹いて拭き取ればツヤが復活するということで、昭和の時代はクルマに1本おいている人をけっこう見かけました。

 いまではさまざまなメーカーから同様の製品が販売されているようで、製品によってその成分は異なりいろいろあるようですが、基本的な仕組みは、樹脂表面の劣化してカサカサになった部分に、シリコンや油分などの“うるおい”成分を浸透させることで、樹脂の表面のカサカサに毛羽立った状態を平滑に均してつるつるな状態にしてくれるというものです。皮膚に付けるハンドクリームとやっていることは同じと言えますね。

 施工の手間としては、表面のほこりや汚れをサッと落としてから溶液を塗り込むだけとカンタンですので、気になったときにすぐ作業できますし、時間的にも1カ所30分もかからないでしょう。

 ちなみに、樹脂部分専用のケミカルのほか、タイヤ用のつや出しケミカルも同様の効果があるという話もありますので、もしタイヤのつや出し剤が余っているなら試してみるのもアリですね。

 欠点はそのツヤが戻った状態が長期間持続しないということです。この点も人間の皮膚と同じで、溶液が染みこんで留まっているときはツヤがキープされていますが、その溶液が蒸発したり、表面から深部に染みこんでしまったりすると、再びツヤが無いカサカサ状態に戻ってしまうんです。

 まあ、それほど手間はかからないので、カサカサが気になってきたらまた溶液を塗り込んであげればいいのですが、そうこうしているうちに「ああ、劣化してしまうと完全には元に戻せないんだな……」という現実に気付かされてしまいます。

■その2:塗装してみる

 この方法を行うのは少し面倒です。まわりに塗料が付着しないように、施工する部分を取り外すか、塗らない部分をマスキングして隠さないとなりません。なので、作業時間がそれなりにかかりますし、塗装するスペースの確保も必要になります。その代わり、いちど施工すれば表面は塗料で覆われて、ある意味新品の状態にできるので、その状態は長い期間持続できるという利点があります。

 塗料は「染めQ」を代表とする樹脂および合成皮革専用のものがオススメです。ボディ用のスプレー塗料や汎用のラッカースプレーは手軽に入手できてコスパも良いですが、それらの塗料は硬い鉄板などに塗るためのものなので、塗料自体も硬くなる特性のものが多く、柔らかい樹脂部や合成皮革に塗ると、弾力でたわんだり曲がったりしたときにひび割れてしまうことがあります。

 その点、専用の塗料は樹脂や合成皮革に定着しやすく、曲げにも強くできているので安心です。ものによってはシートに塗装してもひび割れたり剥がれたりせずに長期間キープできたという話も聞いたことがあります。

 難点は、先に述べたように施工に手間がかかるということと、色があまり多くは選べないという点です。内装色で問題になるのはグレー系の色でしょう。グレーは中間色なので明るいものから暗いものまでけっこうバラ付きがあり、似たような色というレベルで選んだけど塗ってみたらけっこう違った、なんてことも大いにあり得ます。いっそのこと思い切って別系統の色に塗り替えてしまうのも手かもしれません。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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