クルマは「エンジンパワー」だけみても速い遅いはわからない! 見るべきは車重をパワーで割った数字だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■エンジン車はエンジンノ力が大きければ加速度は大きくなり車重が重くなれば加速度は小さくなる

■クルマの運動性能を見る時はエンジンの力と車重をセットで見て比較することが肝要だ

■同じようなパワーウエイトレシオだと車重が軽いほうが走らせて気持ちが良い

クルマはパワーだけでなく車重も重要

 かのアイザック・ニュートン先生はいいました。「物体に力が加わると、その力の大きさと物体の質量に比例した加速度が生まれる」と。

 要するに、クルマの場合、エンジンの力が大きければ加速度は大きく、質量=車重が大きければ加速は鈍い(加速度は小さい)という話。

 これがいわゆる「運動の法則」。つまり、胸のすくような加速力を得るには、エンジンパワーをでっかくするか、車体を軽くするか、はたまたその両方が必要だってことになるわけだ。

 したがって、10トントラックのように、10.7リッター、460馬力、2200Nmのスペックを誇っても、車両総重量が11トン以上もあったら、脱兎のごとく走ることはできない……。

 したがって、クルマの運動性能を知りたいときは、カタログのエンジンスペックだけを見てもダメ。エンジンの力と車重をセットで見て、比較することが肝要だ。

 具体的には、エンジン1馬力あたりの車重を調べ、「車重」を「馬力」で割ればいい。これがいわゆる「パワー/ウエイトレシオ」。

 たとえば、NAエンジンで1.5リッターのNDロードスターのパワー/ウエイトレシオは7.5kg/馬力(990kg/132馬力)。

 1.4リッターターボのスイフトスポーツは、6.929kg/馬力(970kg/140馬力)。

 NA2リッターのトヨタ86(ZN6)は、6.15kg/馬力(1230kg/200馬力)で、2.2リッターになったGR86(ZN8)だと、5.489kg/馬力(1290kg/235馬力)といった感じ。

 カタログを見ると、パワーもトルクもけっこうな数値なのに、実際に乗ってみるとなんだか遅く感じるクルマもあるが、そうしたクルマはパワーの割に、車重が重いケースがほとんどだ。

 このパワー/ウエイトレシオは、ファミリーカーなら10~12kg/馬力でもまずまずといったところだが、スポーツカーなら8.0以下kg/馬力でないと物足りないはず。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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