
この記事をまとめると
■フランスでは冬に「アンドロストロフィー」というモータースポーツが開催されていた
■自動車メーカーやトッププロたちも参戦するなど毎戦盛り上がった
■2019/20シーズンからはEVマシンでの戦いとなったが2024年をもって終了した
毎戦大盛り上がりのアンドロストロフィーとは
フランスは緯度でいくと日本の東北地方や北海道に等しいため、沿岸部はともかく(メキシコ暖流があるため)冬になると内陸部はそれなりの寒さに見舞われます。とはいえ、雪や氷に閉ざされたとしても、フランス人はスノーリゾートを目指し、ウインタースポーツを堪能すること、世界的なデフォかと。
クルマ好きなフランス人も同様で、モンテカルロラリーなどは最たる例。かと思いきや、本場フランス人にいわせると「冬ならアンドロストロフィー一択でしょう」ということに。なるほど、氷上の格闘技とまでいわれる過酷で過激なレースがありました。しかも、近年では完全EV化までなされていたようです。
アンドロストロフィーは1990年、フランスの元レーサー、マックス・ママーズとフランスのジャムやコンポート製品のトップメーカー、アンドロス社のオーナー、フレデリック・ジェルヴォソンというふたりのモータースポーツマニアによって立ち上げられました。開催地はフランス南東部、イタリアとの国境にほど近いセールシュヴァリエ。いうまでもなく、有名なスキーリゾートで雪や氷にこと欠かないステージ。
ここに退役&現役を問わずラリーカーが集い、プロフェッショナルやハイアマチュアが覇を競い合ったというのが当初の姿。コースは全長1kmにも満たないものが多く、極端に曲がりくねってばかり。ということは、豪快なコーナリング、ドリフト、スピンターンなどスペクタクルなシーンが続出!
無論、派手なコンタクトも日常茶飯事ということで、まさに氷上で繰り広げられる格闘レースに観客は総立ちになるのだとか。また、クルマだけでなくバイクでもトロフィーをかけたレースが開催され、1997年からはAMVカップとして独立したイベントになるほどの人気を博しています。