
この記事をまとめると
■全日本ジムカーナ第3戦にユニークなMR-Sが現れた
■ホンダのK24型エンジンをスワップしている点が話題となった
■戦闘力は高いがまだまだセッティングを煮詰める必要があるとオーナーは語る
魔改造MR-S、現る
全日本ジムカーナ選手権・第3戦「マツダ・スピリット・レーシングカップinタマダ」が5月10〜11日、広島県のスポーツランド・タマダを舞台に開催。各クラスで激しいタイム争いが展開されていたのだが、そのなかで注目を集めた1台が、BC2クラスに参戦した110号車「YHケーワンハーフウェイMR-S」だといえるだろう。
ドライバーは全日本ジムカーナ選手権で、8回のチャンピオン経験をもつ小林キュウテン選手で、2025年の第2戦・名阪スポーツランドより、後輪駆動のB車両/SC車両、つまり改造車で争われるBC2クラスに同モデルを投入。
当媒体でも先日紹介したとおり、2025年は全日本ダートトライアル選手権に新設されたD1クラスに、スバルのEJ20型エンジンを搭載したMR-Sが参戦していると記載したが、この小林選手のMR-Sは、ホンダのK24A型エンジンを搭載したこれまたユニークな1台で、こちらも魔改造が施されているのである。
1993年にトヨタMR-2で全日本ジムカーナ選手権にデビューした小林選手は、「当時からMR-2に3S-GE型エンジンを搭載するなどスワップをやっていました」と語るほか、2001年からはフォーミュラ隼でDクラスに参戦するなど、いわばミッドシップ車両のスペシャリスト。2014年には3S型エンジンを搭載したBRZでSCクラスに参戦するなど、ここでもエンジンを載せ替えた魔改造モデルで活躍していた。
その後は改造範囲の狭いPN規定が導入されたことから、小林選手もロードスターでPNクラスに参戦したほか、その後はGR86でSCクラスに参戦したが、「GR86はほぼノーマルの車両にSタイヤを装着しただけの状態でした。それにFRはトラクションが少なく感じたから、やっぱりミッドシップがいいと思っていました」と小林選手は語る。
さらに、「ロータスのエキシージも考えたんですけど、まあまあな金額ですもんね。どうしようかと思っていたときに、知人を通じてすごくいいMR-Sをみつけたので頼み込んで譲ってもらいました」とのことだが、そのMR-Sこそが同マシンで、MR-Sチューニングで有名な「HALF WAY」が手がけたモデルだった。
HALF WAYが開発したMR-Sは、前述のとおり、オデッセイのアブソルートに搭載されていた2400ccの直列4気筒、K24A型DOHC i-VTECエンジンを搭載したマシンで、エンジンヘッドおよびギヤボックスはインテグラタイプR(DC5)のパッケージをインストール。これだけのチューニングを行いながらも、同モデルは公認改造検査を取得したナンバー付き車両ということもユニークなポイントといえるだろう。