
この記事をまとめると
■トヨタにはかつて「ターセル」「コルサ」「カローラⅡ」というコンパクトカーがあった
■3台まとめて「タコⅡ」と呼ばれていた
■3モデルのDNAはヴィッツを経て現在のヤリスにまで続いている
日本の国民車的存在! 「タコⅡ」ってなんだ?
「タコⅡ」という言葉を知っているだろうか。凧2枚でもなく、蛸×2でもない。そう、1978年にトヨタ初のFF大衆車、前輪駆動車として誕生したトヨタ・ターセル、コルサ、そしてカローラⅡという兄弟車の総称=タコツーである。
そんな「タコⅡ」はトヨタ初の前輪駆動車というトピックだけでなく、前輪駆動車のお約束であるエンジン横置きではなく、縦置きであったことも特徴だ。これは後輪駆動車に近い整備性やAT、等長ドライブシャフトとの適合性などが理由といわれている。
トヨタ・ターセルとトヨタ・コルサは1978年8月に販売が開始され、2/4ドアセダン、3ドアハッチバックをラインアップし、エンジンは1A-U型80馬力(ネット値)、3A-U型の1.5リッター、および2A-U型の1.3リッターユニットを搭載。3速AT、または4/5速MTと組み合わされていた。ボディサイズは全長3960~3990×全幅1555×全高1355~1375mm、ホイールベース2500mm。サスペンションはフロントがストラット、リヤがトレーリングアームである。当初のグレード構成はいかにも昭和なS、デラックス、ハイデラックス。
ボディサイズはカローラよりひとまわり小さいものの、ホイールベースはカローラより130mm長いことも売りであった。なお、ターセルとは、英語の隼(はやぶさ)の意味である。
販売テコ入れのため、シリーズ途中でトップアイドルの山口百恵さんがイメージキャラクターとなり、”百恵セレクション”という特別仕様車まで登場。大きな話題を呼んだ。
2代目となるターセル、コルサは1982年にデビュー。エンジン縦置きFFレイアウトはそのままに、ここでカローラ店向けの、基本構造がターセル、コルサと一緒のカローラⅡが3兄弟の1台として加わり、「タコⅡ」が完成(!?)したということになる。
駆動方式は初代が前輪駆動だけだったのに対して、四輪駆動を追加。4ドアセダン、3/5ドアハッチバックという構成は初代と変わらないものの、エンジンは1.3リッターの2A-U型、1.5リッターの3A-U/SU型へと進化。ミッションは3速AT、4/5速MTとの組み合わせである。スポーツグレードをラインアップしたのもこの2代目からである。