
スターだらけの名門は14年目を迎える
初音ミクのカラーリングでお馴染みの4号車。谷口信輝は2011年から、片岡龍也は2012年から加入し、じつに14年目のコンビとなる。コンビ初期の頃はBMW Z4 GT3をドライブしていたが、2015年からメルセデスにチェンジ。2017年にはシリーズチャンピオンに輝いた。
以降もタイトル争いの常連として毎シーズン上位に食い込んできている。安藝貴範チーム代表曰く「ドライバーもレースアンバサダーもクルマも初音ミクちゃんも、とにかくスターぞろいのチーム」だ。
情報発信にも力を入れていて、第2戦富士大会の公式Xは2日間で独自投稿だけで約190件。予選後、決勝後の生配信も参戦当初から変わらず続けている。「初期の頃はとくに、我々はTVにも映らないところで走ることが多くて、なかなか報告することはなかったんですが、それでも、後方でもレースをやっているんだということを伝えたくてレース後の配信をやっていました。応援してくれるファンの皆さんからすれば、そのチームの状況がわからないのはつまらないでしょう? どんな位置にいても、強いときも弱いときも全部見せるということが、成績以上に大切だと思っています」と安藝代表。
以前は高額個人スポンサーには「一緒にレースを戦う権利」としてピットの掃除やタイヤ運びなどのスタッフ業務を体験させていたが、古参ファンの高齢化により最近はゲストとしてレースを間近で楽しんでもらうようにチェンジしてきている。
レースを戦ううえで必要なことは準備段階からしっかりとリクエストしていく谷口を、安藝代表は「わがままのっぽ野郎」と表現。「こんな面倒くさいやつ、このチーム以外じゃ働けないんじゃないかな。だから谷口が辞めるまでは僕もやろうと思っていますよ」
セッティング能力の高さを買われてチームに加入し、気づけば谷口の女房役として早14年の片岡。チームの雰囲気を作るうえでも欠かせない存在となった。「人気者で扱いが面倒な谷口の相棒が務まるのは片岡しかいない」とチームからも全幅の信頼を寄せられている。