
この記事をまとめると
■中国のEVブランド「NETA」の経営が傾いている
■NETAはタイで人気のブランドであったがインドネシアではいまひとつだった
■中国系ブランドは今後BYDグループと上海汽車グループのEVが生き残ると噂されている
NETAの敗因とは
GIIAS2025(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2025年7月24日~8月3日の会期でインドネシアの首都ジャカルタ近郊にて開催)開幕前、中国のBEV(バッテリー電気自動車)ブランドNETA(漢字名は哪吒汽車で合衆新能源汽車のブランド)の破産に関するニュースが報じられた。
ローコストBEVとしてスペックを抑えながら魅力的な価格を実現したNETA-Vが代表車種となるが、このNETA-Vが大ヒットしたタイでは、タイ政府が交付した補助金や物品税免除など、数々のインセンティブを受け、タイにて現地生産しながら販売してきたのだが、中国本社の破産騒ぎが表面化する以前から、タイ国内でも怪しい雲ゆきとなっていた。
事実、2025年の年明け早々から販売網の縮小がはじまったとされていおり、そしていよいよタイ市場撤退かと囁かれはじめたころ、タイ政府が交付した補助金全額や、免除していた物品税の販売台数分の返還(延滞金+罰金付き)といったペナルティを発表し、身動きがとれなくなっている。
NETAはインドネシア市場でもNETA-Vをメインに展開しており、タイほど不穏な動きは見られないようなのだが、それでも筆者をはじめ多くのメディア関係者の予想どおり、GIIAS2025では展示ブースを構えていなかった。
インドネシアにおいて、NETA-Vはそもそもタイほど大ヒットしていない。それはNETAの進出以前に中国の上海汽車系となるウーリン(上海通用五菱汽車)が、中国にて50万円BEVとして爆発的に売れた宏光EVをベースとしたマイクロBEV、「エアEV(現状価格は1億8400万ルピア[約167万円])」を現地生産して販売したところ、大ヒットしていたからである。
2022年末にインドネシアでNETA-Vはデビューしたのだが、2023年はとにかくエアEVが売れまくった。そして2024年になると収束傾向が顕著となり、「エアEVオワタ」といったムードがインドネシアにまん延していた。