
この記事をまとめると
■8月26日に「R35 GT-R最終生産車オフライン式」が開催された
■「最後の1台」が完成車として栃木工場の生産ラインから送り出された
■日産自動車CEOのイヴァン・エスピノーサ氏が次期型GT-Rの存在を示唆した
関係者たちに見送られた「最後のR35」……そして示された次期型の存在
公式なアナウンスなく、ひっそりと姿を消すケースがほぼすべてといっていい日本車のなかで、やはりGT-Rは別格だった。これまでに幾度となく生産終了の噂が囁かれていたR35型GT-Rが、今年の8月をもってついに生産を終了。8月26日、最後の1台が完成車として栃木工場の生産ラインから送り出される瞬間が、自動車専門誌やWebのほか、モータージャーナリスト、テレビ関係者らを招いて公開された。
その最終生産車はミッドナイトパープルに彩られたプレミアムエディションTスペック。販売店から「最後の1台」であることを告げられることなく、日本国内の一般のGT-Rファンのもとに納車されるという。
もはやR35型GT-Rについて、あれこれ細かく語る必要はないだろう。2007年に「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」をコンセプトに掲げてデビュー。心臓部に3.8リッターのV6ツインターボを搭載し、最強グレードの「NISMO」に至っては600馬力を発揮した。0-100km/h加速も欧州のスーパーカーと肩を並べる2.8秒という驚くべき動力性能を示す。
最高速もまた、300km/hを優に超える(スピードリミッター解除時)のは当然として、「仮に300km/h巡航時でも、普通に会話ができる」という、スポーツ性能と快適性をきわめて高い次元で両立している点も注目だ。もっといえば、すべてのドライバーに、道路環境や天候、ドライビングスキルを問わず、最高のパフォーマンスを提供する懐の深さこそがR35型GT-Rの真髄であり、いまなお唯一無二の存在たり得る所以であることに間違いない。
登場から18年間にわたる累計生産台数は約4万8000台。R35型GT-Rの生産終了については、日産自動車の経営不振など、さまざまな憶測が飛び交っているが、じつのところは、衝突軽減ブレーキの装着が義務付けられたり、環境性能などの法規制対応が難しくなったこと、また、一部の電子部品の入手が難しくなったことなど、外的要因が大きいともいわれている。
しかし、だからといって、日産の象徴たるGT-Rがこのまま途絶えてしまうとはおよそ考えにくい。
今回のオフラインの式典にビデオ参加した日産自動車CEOのイヴァン・エスピノーサ氏も「GT-Rファンの皆さま、これはGT-Rとの永遠の別れではありません。GT-Rは、いつか再び皆さまのもとに戻ってくることを目指していますが、GT-Rの名前には高い期待が寄せられており、真に特別なクルマにのみ与えられるものです。したがって、皆さまには辛抱強くお待ちいただくことをお願いしたいと思います。現時点で正確な計画は確定していませんが、GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」とコメント。
果たして、2023年開催のJMS(ジャパンモビリティショー)に参考出展されていた1000kWを4輪で駆動するモンスターEV、「ニッサン ハイパーフォース」がR35のあとを継ぐGT-Rを示唆したモデルだったのか? いずれにせよ、誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる新世代の、そして世界最高峰レベルのGT-Rになることだけは間違いないだろう。その日はいつなのか? 大いに期待しながら、辛抱強く待ちたい。