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【試乗】純粋なアルピナ車はもう最後! D3 Sツーリングに乗って感じた「替えがきかない」走り (1/2ページ)

【試乗】純粋なアルピナ車はもう最後! D3 Sツーリングに乗って感じた「替えがきかない」走り

この記事をまとめると

■アルピナは2025年末をもってBMWのブランドのひとつになることが決定している

■純粋なアルピナ車としてラインアップされる「D3Sツーリング」に試乗した

■アルピナは究極のパフォーマンスとラグジュアリーを両立させた唯一無二のクルマだった

年間1700台を生産する小さな自動車メーカーの終焉

 アルピナというブランドの商標権が、2025年末をもってこれまでのアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社からBMWへと譲渡されることになる。その衝撃的なニュースが世界を駆け巡ったのは2022年3月のことだった。

 BMWのプロダクトをベースに、よりハイパフォーマンスでラグジュアリーなモデルをカスタマーに提供するというコンセプトを貫いてきたアルピナ。その生産台数は最近でも年間で1700台程度と、独立した自動車メーカーとしてはきわめて小さなボリュームに限られていたこともまた、ブランドの価値を高める大きな理由となっていた。

 新たにアルピナの名を受け継ぐBMWが、このブランドからどのようなモデルをリリースしていくのかは、現在の段階ではまだ明らかにはされていないが、アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社自身による車両の生産は、ブランドの譲渡とともに完全に終了することがすでに決定している。つまり今は、長い伝統を受け継ぐ純然たるアルピナ車を新車で購入する最後のチャンスといえるのだ。

 これまでアルピナというブランドが、そのカスタマーによって高く支持されてきた理由はどこにあったのか。今回はそれを改めて理解するために、ラストモデルのひとつとしてラインアップされている「D3 Sツーリング」のステアリングを握ってみることにした。

 BMWのG20型3シリーズ・ツーリングをベースとするD3 Sツーリングが特別な魅力をもつことは、エレガントな雰囲気に満ち溢れたエクステリアのフィニッシュからも容易にそれを想像することができる。

 ベース車が横メッシュであるのに対して、新たに縦バーのデザインが採用されたキドニー・グリルや前後のスポイラー。そしてその名も「アルピナクラシック」と呼ばれるスポークデザインのホイールに、これぞアルピナ車の証ともいえるデコラインがあしらわれたその姿はじつに端正なものに映る。

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