
この記事をまとめると
■3列シートミニバンの第一弾といえるのが1990年に登場した初代トヨタ・エスティマだ
■未来感ある新コンセプトのミニバンとしてエスティマは画期的な存在だった
■初代エスティマは大ヒットとはならなかったが2・3代目の登場で確固たる地位を確立した
「天才タマゴ」と呼ばれた初代エスティマの衝撃
1990年代は3列シートミニバンが世を席捲した時代だった。その第一弾といっていいのが、1990年に登場した初代トヨタ・エスティマだ。当時、3列シートを備えていたミニバンは日産プレーリー、三菱シャリオといった5ナンバーモデルの国内専用車が主流で、ボディサイズ、室内空間に余裕がある3ナンバーの3列シートモデルは、ハイエースといったワンボックスカーやランドクルーザーに代表されるSUV、さらにはクラウンエステート(3列目席は簡易型で後ろ向きになる)ぐらいのもの。
そんな時代に登場した、北米で人気沸騰のミニバンマーケットへの投入を目論むエスティマは、「天才タマゴ」という未来感ある新コンセプトのミニバンとして画期的な存在だった。車名の由来は英語で「尊敬すべき」という意味の「estimable」から命名されている。
平成2年5月30日のトヨタのリリースには、「90年代の新しいカーライフの提案 走る楽しさと使う楽しさの高いレベルでの融合 新時代の多様性を創出した高性能”ニューコンセプトサルーン”誕生」とある。
エクステリアはまさにタマゴを思わせるワンモーションフォルムで、そのデザインはトヨタの北米デザインスタジオ「CALTY」(キャルティ)が担当。
ボディサイズは全長4750×全幅1800×全高1780mm(2WD)。ホイールベース2860mm。135馬力、21.0kg-mを発生する新開発ハイメカツインカム2TZ-FE型2.4リッター直4エンジンを前後のタイヤの間に寝かしたアンダーフロアミッドシップレイアウトを採用した特徴から「天才タマゴ」というコピーが生まれたという。
サスペンションはフロントがストラット、リヤがダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架。駆動方式は後輪駆動またはビスカスカップリング付きフルタイム4WDであった。