
この記事をまとめると
■2026年のGT500新型車両として「プレリュードGT」プロトタイプが発表された
■宮城県にあるスポーツランドSUGOにてお披露目とシェイクダウンがおこなわれた
■TEAM KUNIMITSUの牧野選手らはシビックとは違うを感触を確かめていた
クーペベースに回帰した「プレリュードGT」の素性はいかに
ホンダ・レーシング(HRC)が、2026年のスーパーGT GT500クラスで投入する新型車両(プロトタイプ)のお披露目とシェイクダウンをスポーツランドSUGOで行った。車両には「Prelude-GT(プレリュードGT)」の文字……その名の通り、先月発売されたホンダの「スペシャリティクーペ」、6代目プレリュードがベースとなっている。
ホンダは2024年、GT500車両のベースをNSXからシビック タイプRに変更。5ドアハッチバックをスケーリング(ベース車の面影を残しつつ、GT500車両規則の寸法に合わせたシルエットとしていくこと)するという異例の挑戦は話題を集めた。また、コーナリングマシンからドラッグの少ないマシンへと車両特性が変化したことでどんな結果がもたらされるかも注目されていた。
しかし、蓋を開ければ、以降の2シーズン弱は熟成の進んだトヨタGRスープラが席巻。シビックは2024年第4戦富士で初優勝を記録するも、それが唯一の勝利に終わっている(2025年第6戦終了時点)。2026年は2年ぶりに空力開発が解禁されるシーズン……HRCは、ここでベース車を変更することで「より高い到達点を目指せる余地がある」と判断し、絶好のタイミングで発売されたクーペ車のシルエットをまとわせることにした。
お披露目されたプレリュードGTを先代のシビック タイプR-GTと比較すると、さまざまな違いが見受けられる。当然ながら、車両の「顔」であるフロントマスクの雰囲気が異なる。さらに、クーペベースに回帰したことで、シビックではスケーリングの関係で窮屈になっていたドア部分に再びゆとりが生まれた。大柄なドライバーにとっては乗り降りが楽になりそうだ。
そして、ルーフからリヤにかけてのボディ形状も特筆すべき点。直線的でなだらかだったシビックと打って変わって、プレリュードは市販車のスタイルを踏襲してリヤに向かって急激に落ち込むフォルムとなっている。この変化はリヤウイングに流れる空気に影響を与えるはずだ。