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脱石油はいつ実現する? 開発はされたのに代替燃料がなかなか実用化されない理由 (2/2ページ)

脱石油はいつ実現する? 開発はされたのに代替燃料がなかなか実用化されない理由

この記事をまとめると

■カーボンニュートラルに関心が集まり代替燃料の普及が注目されている

■代替燃料における最大の課題はコストの高さだ

■水素などの活用も視野に入れられているがまだ実験段階となっている

代替燃料が普及しない理由

「代替燃料」という言葉がある。正確に表現すれば、化石燃料に代わる新たな燃料、という解釈でよいだろうか。では、なぜ化石燃料に代わる新たな燃料という概念が生まれのだろうか? それは、化石燃料を燃やすことで発生する炭化水素、二酸化炭素、窒素酸化物などが地球環境に対して有害であり、燃料として燃やしてもこれらを排出しないクリーンなエネルギー源が求められる時代となったからだ。ちなみに現在、化石燃料に区分されているのは石油、石炭、天然ガスで、最近はメタンハイドレートも含まれると考えられている。

 そもそも、化石燃料が使われ始めたのは17世紀だといわれている。灯油を照明用燃料(ランプの燃料)として使用したのがその始まりで、これに歩調を合わせて石油産業が誕生・発展してきたが、19世紀終盤にガソリンエンジンを使う自動車が発明されると、その需要は急激に高まり、原油から作られるほかの燃料、軽油や重油などと合わせ、人類にとって必要不可欠なものとして活用されてきた。

 化石燃料の特徴は、供給量(原油としての埋蔵量)が豊富で熱エネルギーが高く、コスト的にも手頃なことから、あらゆる機関の燃料として爆発的な普及を見せてきた。

 しかし、1970年代に入ると、化石燃料を燃やす際に発生する炭化水素や二酸化炭素、窒素酸化物などが大気汚染の原因であることが指摘され、とくに自動車の排出ガスは問題視され、アメリカでのマスキー法案、日本での昭和53年排出ガス規制(当時の最終目標となった規制値)が生まれる原因となっていた。

 炭化水素や窒素酸化物の削減は段階的に進み、21世紀に入るころには「よくここまで排出量を低減化できたな」と思わせるレベルに達していたが、今度は二酸化炭素の排出が大きな問題となってきた。現在も非常に大きなテーマとして捉えられている二酸化炭素の排出と地球温暖化の問題である。

 なお、化石燃料の主成分は炭素と水素だが、それらは動物、植物、プランクトンの死骸が地中や海底に埋もれ、圧力や熱を受けたりすることで分解され、ケロゲン、泥炭、メタンガスに変化することで燃料として利用されている。これが化石燃料で、ケロゲンが石油、泥炭が石炭、メタンガスが天然ガスとわけられている。

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