
この記事をまとめると
■トヨタがジャパンモビリティショー2025にブースを出展
■世界のニーズに対応したという「カローラ・コンセプト」を公開
■次期型カローラはカローラ・コンセプトのイメージのまま市販化予定だという
トヨタが次期型カローラを示唆するコンセプトカーを世界初公開
いよいよ「ジャパンモビリティショー2025」が開幕されました。「東京モーターショー」から名称と開催スタイルを変えて今回で3回目を迎える、国内最大の乗り物イベントです。いろいろ注目のクルマや技術が披露されていますが、ここではまずトヨタブースの最注目モデル「カローラ・コンセプト」を紹介していきましょう。
開催直後のプレス向けブリーフィングでは、トヨタの佐藤社長が壇上に上がり、トヨタのこれまでの足跡を振り返りつつ、これからのあり方として、さまざまなユーザーにリーチしてフィットしてゆく姿勢を込めた「TO YOU TOYOTA」のキャッチフレーズをかかげてコンセプトカーを披露しました。
今回展示されたカローラ・コンセプトは、世界のニーズにできるだけフィットさせることをテーマにつくられた、意欲的な提案モデルです。
この取材にあたって、トヨタのデザイン部・部長の郷さんと、チーフデザイナーを務めた佐藤さんに話を伺いました(写真左の郷さんは2代目シエンタとジャパンタクシーなどを、写真右の佐藤さんはレクサスのLF-ZCなどを手がけた方だそうです)。
これまでカローラの概念をぶっ壊して新たに生まれ変わる
事前のティーザー広告などでチラ見せされていましたが、「え? これが次のカローラなの?」という意外なほどのカッコよさを前面に出した外観デザインに驚いたという人も少なくないでしょう。
これだけインパクトのあるデザインだと、とりあえず市場の動向を知るためのコンセプトモデルだろうと考えます。
しかし、驚くことにこの意匠は単なるデザインの提案ではないそうで、「細かい点はこれから煮詰める段階で変わっていくと思いますが、全体のイメージはおおよそこのままで市販できると思います」という意外な発言が飛び出し驚かされました。
これまでのカローラといえば、ターゲットを広く据えた万人向けのクルマというイメージでした。
しかし、いまや世界的にトップメーカーとなったトヨタでも、これまでどおりのスタンスに腰をすえていては「この先戦っていけない」と危機感を抱いており、失敗を恐れずに積極的にチャレンジを行っていかないとならないという意気込みで動いているとのこと。
そのため、万人受けという固定観念をいちど捨てて、いまの世界的なニーズをあらてめて考え直すところからスタートしたそうです。
その結果、今後の新生カローラは、世界のさまざまなニーズそれぞれにフィットするフレキシブルな存在であるべきというテーマに辿り着きました。
そのために今回、まったく新しいプラットフォームづくりにチャレンジすることになったというので、大きなプロジェクトとして動いているのは確実でしょう。
このプラットフォームの特徴はさまざまな用途やニーズにフィットさせられる柔軟性を備えているという点で、パワーユニットもBEV、HEV、PHEV、そしてレシプロエンジンなど複数のバリエーションに対応し、ボディのバリエーションもこれまで以上に多彩な展開に対応できるように設計されているそうです。
ということは、これからこのセダンタイプを皮切りに、ハッチバックやSUVなどのさまざまなバリエーション展開が予想されます。
「ですから、このカローラ・コンセプトは、これから展開されるカローラ・シリーズの未来を予感させるデザインでまとめました」とのこと。
そのためには「プラスαの付加価値」が重要だということで、所有欲がくすぐられるカッコよさを引き立たせるデザインになったようです。
