
この記事をまとめると
■ホンダの次世代EV「Honda 0 α」がジャパンモビリティショー2025で披露された
■「Thin, Light, and Wise.」をテーマに低い全高と軽快さを両立した設計思想をもつ
■スタイリングに込められた意図を会場で担当デザイナーの福井氏に聞いた
デザインにはどのような意図が落とし込まれているのか
ホンダの次世代EVとして先行したSALOONとSUVに続き、突如姿を現した第3のモデルα。シリーズに共通する「Thin, Light, and Wise.」のコンセプトを踏まえつつ、よりコンパクトに見えるスタイリングの意図はどこにあるのか? さっそく会場で担当デザイナーの福井氏に話を聞いてみました。
●洗練された雰囲気を残しつつタフネスを表現する
──新たに「0 α(以下α)」をデザインする上で、デザインコンセプトやキーワードなどはあったのでしょうか?
「0シリーズの洗練された雰囲気と独創的な骨格を踏襲しましたが、そこでとくに新しいキーワードなどは設けませんでした。それより、αが想定しているアジアの市場、たとえばインドなどではまだまだ悪路が残っていますので、最低地上高を「0 SUV(以下SUV)」より大きく取るなど、走破性の高さを狙った点が特徴と言えます(eモビリティデザイン開発室 プロダクトデザインスタジオ アシスタントチーフエンジニア αエクステリアデザインプロジェクトリーダー 福井拓さん(以下同)」
──フロントフェイスはそのSUVとも異なる表情を与えていますが、どんな狙いがありましたか?
「αはほかの2台と違って充電口がフロントに設けられていて、より機能集約が行われています。そのため、どうしても部品点数が多くなってしまうのですが、洗練された雰囲気を壊さないよう新しいフラットなHマークと親和性の高いグラフィックとし、αとしての独自性を出しています」
──サイド面も基本的にはSUVに近い造形ですが、よりアクティブな雰囲気を感じますね
「はい。悪路走破性に加え安心感ももってもらえるよう、ボディの厚みやフェンダーの力強さを意識しています。とくにショルダー部では、SUVがフラッシュなイメージでキャビンとボディが近い断面になっているのに対し、αではあえて段差を設けることで、パネルやボディの厚みを表現しているんです」
──リヤのドアハンドルをピラー側に設けたのは軽快感を狙ったためですか?
「いえ。リヤドアがフェンダーに近いので、通常の位置にハンドルを置くとノイズとなって洗練された雰囲気が壊れてしまうんですね。そこであえてピラーの横に置いたということです」
