
この記事をまとめると
■スバルが群馬の本工場敷地内に建設した「イノベーションハブ」を見学した
■イノベーションハブによる大部屋開発がスバルの新しいアイデアを生み出している
■イノベーションハブは従来のスバルのイメージを覆すオシャレな研究施設だ
変わっていくスバルの象徴「イノベーションハブ」
2025年のジャパンモビリティショー(JMS)におけるスバル、STIブランドを冠した2台のコンセプトカーが話題を集めている。いうまでもない、ボクサーターボ+シンメトリカルAWD+6速MTという古典的なスバルらしい「パフォーマンスB-STIコンセプト」。次期レヴォーグをも思わせる空力シルエットのスポーツEV「パフォーマンスE-STIコンセプト」の2台は、まさにスバルの未来を示している。
なぜなら、この2台は従来のスバルとは異なる次世代のテクノロジーやビジネスモデルを示しているからだ。
たとえばボクサーターボのスポーツハッチである「パフォーマンスB-STIコンセプト」は、シンプルなクルマを販売して、ユーザーが育てていく過程もマネタイズするという売り切りビジネスからの脱却を目指している。電気自動車の「パフォーマンスE-STIコンセプト」は、新設計のアッパーアームを持つフロントサスペンション、円筒バッテリーを側面冷却するユニークなバッテリーパックなどスバル独自のEVアーキテクチャーに基づいている。
いずれも、従来の発想にとらわれないクルマづくりを示している。こうした変化は、「世界で勝負するためにもっとスピード感のある開発体制を実現する」ことから生まれている。
そうした新しい開発現場となっているのが、『イノベーションハブ』だ。
2024年1月に群馬県・太田市にあるスバル本工場エリアに建てられた「イノベーションハブ」は、その名の通りイノベーションを生み出すための研究センターという位置づけ。エンジニア同士のコミュニケーションが密にとれ、さらに新しい発想が生まれるような工夫がなされているという。
最新の研究センターとなれば、メディアが潜入できることはほとんどない。しかしながら、7階建てのイノベーションハブの全フロアを取材するという貴重な機会を得た。はたして、スバルの次世代モデルやテクノロジーは、どんな環境で開発されているのか。取材でわかった範囲だけでも情報共有したいと思う。
