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N-BOXがまさかの首位陥落! ムーヴやスペーシアにも抜かれた10月の新車販売ランキング!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2025年10月単月締めでの車名別新車販売ランキングが発表された

■ホンダN-BOXが大幅ランクダウンしダイハツが自社届け出増で販売台数を大きく伸ばした

■登録車はヤリスが総合首位で依然としてトヨタの強さが続いている

王者N-BOXがとうとう陥落

 2025年11月7日(金)に自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車、それぞれの2025年10月単月締めでの車名(通称名)別新車販売ランキングが発表された。

 ここのところ軽自動車ではホンダN-BOXトップ、そして登録車では上位10車以内がほぼトヨタ車となる「トヨタ一強」が定番の傾向となっていたのだが、2025年10月締めでは大波乱が起きた。N-BOXの大幅ランクダウン、そして軽自動車も含む総合ランキングでヤリスが1位という大波乱が起きたのである。

 N-BOXは2025年9月単月には2万1717台を販売し、2025事業年度(2025年4月~2026年3月)締め上半期(2025年4月~2025年9月)新車販売第1位を発表したばかりなのに、2025年10月単月締めでは単に首位陥落しただけではなく、軽自動車のみでも4位まで大幅にランキングを落としている。まさにN-BOXにとっては前代未聞に近いことが発生したのである。しかも軽自動車のみでの首位は2位の常連スズキ・スペーシアかと思いきや、ダイハツ・ムーヴとなっているのである。

 N-BOXは、統計数字を見る限り2025年9月締めでは2位のスペーシアに5310台差をつけたトップとなっている、これは2025事業年度締め上半期第1位を確実なものとするだけではなく、大差をつけようとした動きにも見える。

 すぐ結論が出そうなターゲット客を可能な限り9月に新規届け出可能なタイミングで注文を取ろうとの意気込みで販売促進活動を行ったようなので、10月は新規受注見込み客が急減し、9月比で9000台近く販売台数を落とすことになった。このタイミングで間髪入れずにダイハツが動き出した結果とみてもいいだろう。

 ダイハツがどんな動きを開始したかといえば、おそらく2025事業年度締め(2025年4月~2026年3月)ブランド別年間新車販売台数トップを狙って動き出したのではないかと筆者はみている。車名別に先んじて発表されたブランド別の2025年10月締め新車販売台数をみると、2位スズキに1万台ほど差をつけダイハツがトップとなっている。

 ダイハツの車種別での販売台数をみると、10月は9月比でミライースが130.0%、ムーヴ118.6%、タント124.3%、タフト122.4%、アトレー/ハイゼットカーゴ116.7%、ハイゼット・トラック127%、コペン134.6%と、すべてのダイハツ軽自動車が事業年度締め上半期末で半期決算セールを展開していた9月より販売増となっている。しかも前月比120%以上の車種が5台も存在し、100%を割るのが一般的ななかではかなり注目すべき数値となっている。

 ミライ―ス、タフト、ハイゼット・トラックはいままでも、自社届け出の副産物ともいえる届け出済み未使用中古車(以下未使用中古車)が多く流通している車種であり、このような車種の販売増が顕著に目立っているところをみると、ブランド別販売台数の積み増しのため、ディーラー名義などでナンバープレートだけ取得する「自社届け出」が積極的に行われたと予想できる。

 販売台数積み増しのための自社届け出はダイハツ以外のメーカーでも広く行われており、その副産物として流通しているのが未使用中古車といっていいだろう。半期決算セール直後で正真正銘となるエンドユーザー向けの販売だけでこのような結果となるのは、筆者の経験からすればなかなか考えにくい状況となっている。

 トップのムーヴも派生車種のキャンバスは未使用中古車としていままで大量に流通していたのだが、新型になってそれほど時間の経っていないムーヴの未使用中古車も本格流通が始まろうとしているのかもしれない。

 やはり、新車販売台数全体が9月の反動で落ち込み傾向を見せる10月に合わせてダイハツがまさに意図的に復活の狼煙をあげたように筆者には見えるのだ。11月以降も2026年3月までこのままダイハツが突き進むのか? N-BOXの反撃は? そしてスズキの動きは? など、しばらく軽自動車からは目が離せない状況が続きそうである。

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