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これまでも普通に強烈な悪路も走れてたけど!? デリカD:5が19年目で「S-AWC」を採用した理由を担当者に直撃!! (2/2ページ)

これまでも普通に強烈な悪路も走れてたけど!? デリカD:5が19年目で「S-AWC」を採用した理由を担当者に直撃!!

この記事をまとめると

デリカD:5がマイナーチェンジを敢行

■19年の歴史のなかで初めてS-AWCが搭載された

■2WDと4WDを切り替えて使っているユーザーは案外多いという

デリカD:5にS-AWCを搭載した理由

 ジャパンモビリティショー2025の三菱ブース、そして先日12月18日には三菱自動車の本社ショールームにて、デリカD:5のマイナーチェンジモデルが発表された。

 従来のマイナーチェンジ同様に、エクステリアデザインの一部変更や新色の追加などが行われているが、今回の変更点で1番のトピックはやはり、三菱にとって伝家の宝刀ともいえる4WD制御技術、S-AWCの採用だろう。

 S-AWCとは、「Super All Wheel Control」の略で、4輪の駆動力・制動力を最適かつ瞬時に制御することで、通常の4WD制御では得られない、優れた操縦性と高い走行安定性を実現するというシステムだ。「4WD」「AYC」「ASC」「ABS」4つの要素を統合制御し、路面状況に応じてすべてのタイヤのグリップ力を最大限に確保するという特徴をもっており、誰もがどんな道でも安心して走れる、抜群の操作性を提供してくれる。

 このS-AWCという技術は特別新しい技術ではなく、2007年に登場したランサーエボリューションXで初採用されたことでもおなじみで、4WDとは思えない異次元の回頭性は、スーパー耐久などのレースシーンでも証明されている。

 しかし、だ。前述のとおりこのS-AWCは2007年に登場している。つまり開発自体はさらに前。2025年でデビューから19年目を数えるデリカD:5にとって、いくらでも採用するタイミングはあったはず。

 とくに、当時業界を騒がせた(!?)ダイナミックシールドという大胆なフェイスリフトを含む、2019年のビッグマイナーチェンジのようなタイミングであれば、「念願のシリーズ初搭載!」みたいな売り込みも併せてできたはず。実際、当時販売されていたアウトランダーPHEVには、モーター制御ではありながらも、S-AWCは搭載されていた。

 モデル末期……かどうかは現状不明だが、今のタイミングでS-AWCをデリカD:5に採用したのは、正直疑問だ。なぜ今このタイミングなのだろうか。

 気になる疑問を、商品企画マネージャーに聞いてみた。

「まず、なんで今のタイミングでS-AWCを採用したのか……ということですが、じつは2019年のビッグマイナーチェンジの際に社内でS-AWCを採用しようという声はあったんです。ただ、当時のデリカD:5の4WD技術はパジェロから受け継いでいるタフなもので、日常使いではまったく問題のない、高い次元にありました。むしろ、当時は自動ブレーキやプリクラッシュセーフティなど含む先進安全装備関係のほうが遅れてて、『今入れる技術はこっち(安全機能)だろ!』となり、採用を見送っていました」とのこと。

 よって、このタイミングでS-AWCを実装することになったという。とはいえ、こんなにも高度な4WD制御技術だが、そんな簡単に搭載できるのだろうか?

「デリカD:5に搭載するということで、開発期間は数年掛かってます。泥道などの悪路はもちろん走らせていますが、雪に関しては天候の都合もあるので思うようにいかない年もあり……(笑)。あとは、システム面、とくにASC(横滑りや発進時の空転などを制御する技術)のプログラムも最新版になってます」

 デリカD:5はとにかくタフなイメージが根強いとのことなので、さらに4WD性能を磨き上げ、商品力を底上げする狙いもあったそうだ。

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