
この記事をまとめると
■現在日本国内で販売されているWRXはMTモデルの設定がない
■海外ではWRXのMTモデルが存在しており日本国内から導入を希望する声も少なくない
■カナダ仕様の6速MTを搭載したWRXが関係者向けに貸し出された
WRXの左ハンドル+MTモデルが突如上陸
スバルといえば独自のシンメトリカルAWDはもちろん、ターボとMTのイメージが強かった。それなのに、2021年に登場した現行WRXでは、日本仕様にはMTがなくCVT仕様となるWRX S4のみだ。
ところが、北米仕様にはこのクルマをベースにしたMTの設定があることは、ファンのあいだで周知の事実となっていた。
「海外にはあるのに、日本にMTを入れてくれないのか」と、最初からずっといわれつづけていたのは、多くの読者諸氏もご存じのことだろう。
まあ、日本の交通事情だとMTでは成立しないアイサイトXが使えなくなるとか、燃費のこととか、いろいろ事情もあったことには違いないが。
ところが、モデルライフもとっくに終盤にさしかかったであろう現行WRXに、いよいよMTが追加されるらしい話が現実味を帯びてきた。
そのための肩慣らしとして(!?)スバルがなんと、カナダ仕様の左ハンドルの6速MTを搭載した広報車を用意してくれた。
2025年モデルの「WRX SPORT」という、「STI」の付かないカナダ仕様ではこれが最廉価グレードで、見た目は控えめ。しかもボディカラーがブルーではなくホワイトなので、余計に地味に見えるのも、あえてここは控えめに抑えておこうというスバル側の意図が見え隠れしたりして……(笑)。
このクルマで都内を走っていても、ごくまれにWRX感度の高そうな人から、「んっ!?」という感じで見られたが、大半の人にはまったく気づかれなかったようだ。
日本仕様とは内外装や装備が多少違っていて、パッと見てわかるのは、いかにもカナダ仕様っぽいサイドマーカーだ。ほかにもグリルオーナメントの有無やリヤワイパーがないなど、細かいところがいろいろ違う。
インテリアも微妙に違っていて、大きな画面が真ん中にあるのは同じでもやはりナビ機能はない。ただしスマホとの連携は可能だ。アイサイトは、高度運転支援を実現した「X」の付かない通常版になる。
ルームミラーには、果てしない大地で迷子にならないよう、コンパス機能が付けられているのもカナダ仕様っぽい。プライバシーガラスではないので、外から車内はスケスケで丸見え。インテリアの質感やなんかも、いたってベーシックな印象だ。
あと、大事なポイントとしては、スバルでお馴染みのSIドライブが付かない。まあ、MTで乗るならあまり必要ない気もするのでヨシとしよう。
