
この記事をまとめると
■三菱ふそうがJMS2025に新荷台コンセプト「コボディ」を展示した
■コボディは荷室に入らずに荷物の積み降ろしができるため運転者の負担を大幅に軽減する
■AI配送計画と連動させることで人手不足と2024年問題にも対応する
次世代の物流に劇的な前進をもたらすか
国内外の乗用車メーカーはもとより、日野や三菱ふそう、いすゞ、UDといった商用車メーカーもブースを並べたジャパンモビリティショー。三菱ふそうのブースでは大型トラック「スーパーグレート」をベースに開発した水素エンジン搭載車両「H21C」と液体水素搭載燃料電池大型トラック「H2FC」が注目を集めていたが、ここでフィーチャーしたいのは、同社の第3世代EV小型トラック「eキャンター」とともに展示されていた荷台コンテナのコンセプト「COBODI(コボディ)」だ。
同社ブースの中央に展示されていたeキャンター。その車両は箱のボディが一部スケルトンになっていて、その荷室内には3段の棚のようなユニットが並ぶように搭載されていた。このユニットが三菱ふそうが同イベントで提案したこれからの物流課題に応えるソリューション「COBODY(Connected Load Body)コボディ」。ドライバーの荷役(荷物の積み降ろし)の負担軽減と時間短縮を実現する同社のコンセプトだ。
ここ数年問題となっているトラックドライバーの人手不足と「2024年問題」。その代表ともいえる課題のひとつがドライバーの荷役作業だ。大型・中型トラックによる幹線輸送の荷役作業は、ウイングボディの普及とパレットとフォークリフトの使用によりドライバーの負担と作業時間の軽減が進み始めているが、小型トラックによる物流拠点から店舗へ、または店舗から消費者への輸送、いわゆる「ラストワンマイル」輸送における荷役作業は、いまなおドライバーの手作業に頼っているのが現状だ。
同社ブースの展示パネルにも、ドライバーが荷役作業のために荷室に登り降りする労力は、1日あたり建物26階分にあたると表示されていた。そのため、トラックドライバーの多くが腰に負担を抱え、ギックリ腰が職業病のようにもなっている。
コボディは、そんなドライバーの労力と作業時間を軽減させる三菱ふそうの新提案。箱型ボディの下半分に小さなドアを3つずつ設け、荷室内の棚のようなユニット(専用ラック)を上下させることで、荷室内に入ることなく積荷を取り出すことができ、スムースに配送することを可能としている。
物流拠点や店舗から配送する荷物を積み込むときはこの専用ラックのトレイに積み、ラックごとフォークリフトで荷室内にセットする。トレイへ積み込む荷物の管理は三菱ふそうが開発した配送計画システム「ワイズ・システム」が行う。これは、AIを使用して最適な配送ルートを自動で計画するという優れたシステムで、積み降ろし時のラック内のトレイの上下もそのシステムが自動で制御してくれるのだ。
三菱ふそうの試算によると、このコボディとワイズ・システムによってドラバーの負担軽減だけでなく、最適な積載により1日あたりの配送数は7〜14件増え、同システムによる最適な積載とルート設定の効果で1回の配達シフトあたりの作業時間が45〜60分も短縮できるというのだ。
このシステムによる荷役と配送の効率化が実現すれば、ドライバーひとりあたりの配送数がドライバーにさらなる負担を強いることなく増やすことができ、これによりドライバーの人手不足も解消できるというわけだ。
「手積み手降ろしはトラッカーの華!」というストイックなドライバーも、とくに大型トラックのドライバーのなかにいるのは確かだが、その仕事のきつさゆえに若手ドライバーが育たなくなっているのも事実。
仕事の効率化と人手不足の解消はこれからの物流業界の最優先課題。三菱ふそうの「コボディ」と「ワイズ・システム」は、物流業界をさらに前進させる一石になることは間違いないだろう。
