
この記事をまとめると
■フィットはかつてランキング上位の常連になるほどの大ヒットモデルだった
■4代目のコンセプトが広く受け入れられず現在は苦戦している
■中国でマイナーチェンジしたフィットが大幅なフェイスリフトを実施していた
海の向こうでホンダは吹っ切れていた
難関の私立中学や、その業界で秀でた3つの人物や集団、企業なんかを御三家と呼んだりする。さまざまな分野で存在するので、細かい紹介は避けるが、クルマの世界でいえば、ドイツ御三家は「メルセデス・ベンツ」、「BMW」、「アウディ」といわれている。
ちなみに、国産コンパクトカーの世界で御三家を調べてみたところ、「日産ノート」、「トヨタ・ヤリス」、そして「ホンダ・フィット」が選ばれるらしい。
そのなかのフィットといえば、2001年に初代が登場し瞬く間に大ヒット。当時33年連続で販売1位だったトヨタ・カローラを首位から引き摺り下ろした、まさに名車。
その後、2代目、3代目も好調なセールスを記録。1.3リッターのベーシックなガソリンエンジンを搭載するモデルから、ハイブリッド機構を搭載したモデル、さらには”RS”の名を冠したスポーティグレードも存在。5速MTや6速MTも存在したこともあり、3ドアハッチバックの歴代シビックが高騰しているいま、若者にこのあたりのモデルもホットハッチとして人気が高い。なんなら、ワンメイクレースまで開催されていたほどだ。
しかし、2020年に販売された4代目フィットは、いままでのスタイリッシュでスポーティなイメージからガラリとイメチェン。「柴犬顔」をコンセプトにした優しい雰囲気に様変わり。これが歴代のフィットファンの間であーでもないこーでもないと意見が大荒れ。初動こそよかったものの、歴代モデルが居座っていた販売ランキング上位からは外れてしまったのだ。
と、悲しいことにズタボロな4代目フィットは、マイナーチェンジはもちろん、モデューロXやRSを復活させるなどして随時改良、アップデートを行っているのだが、悲しいことに、過去の輝きは取り戻せていない。
ただ、デザインは好みがあるので置いておいて、使い勝手のよさや車内の広さはクラストップレベルであり、個人的にはこのクラスで1番のオススメであることだけは、伝えておきたい。乗ればわかる1台だ。
さて、そんな4代目フィットだが、知らぬ間に海の向こう側でとんでもないことになっていたので、少し紹介したい。
舞台はいま、なにかと話題の中国。ホンダと広州汽車の合弁会社である「広汽ホンダ」は、現地でもフィットを販売しているのだが、そのデザインがとにかく凄まじい。
どんな整形を望んだのか知らないが、柴犬どころかまるでロボットのような顔になっているではないか。可愛い系はもう飽きたのか、とにかくインパクトが凄まじい。失礼だが、まるでどっかの企業が真似たフィットのパチモノのようにすら見える。ちなみにリヤはほぼいままでどおり。
何がどうしてこうなったのか詳細は不明だが、じつはフィット、中国市場で7月の販売台数が75台、 8月の販売台数が23台といわれており、苦戦どころか市場規模を考えればほぼ0台といっても過言ではないほど売れていないという。なんなら、10月は3台、11月は0台だったという。
最後のほうはこの地獄のマイナーチェンジを行う影響もあり、出荷していなかった可能性もあるが、あれだけ広大な土地で、13億人もいる国でこれしか売れていないとなれば、上から「もう好き勝手やっていい」という許可が出たのかもしれない。
なお、これほどまでにフィットが売れていない背景には、安価な小型EVの存在があるそう。「このクラスにお金出すなら、もっと安いEVでいい」というのが現地の考え方だ。
なお、パワートレインはいままでどおりの1.5リッター直4エンジンを継続、インテリアは大きな変更がなく、内装には10.1インチディスプレイを採用。フロントフェイスのデザインと比べて車内は普通だ。グレードは従来の5グレードから1グレードとなり、価格は約151万円となるそう。ちなみに、限定3000台なんだそう。
ある知人に見せたら、「なんかシトロエンっぽい……」と呟いていたが、むむ…‥たしかに!?
