
この記事をまとめると
■トヨタ自動車が2026年4月1日付のトップ交代を発表した
■新社長は近 健太氏であり現社長の佐藤恒治氏は副会長+新設のCIOへ
■狙いは「社内(トヨタ)と社外(産業全体)」の役割分担で意思決定を早くすることだ
明確な狙いのある社長交代の発表が行われた
トヨタ自動車は2026年2月6日、4月1日付で社長の交代を発表した。現社長の佐藤恒治氏(写真:左)は社長職を離れ、副会長に就任。あわせて新設される「CIO(Chief Industry Officer)」という役職も担う。後任の社長・CEOには、執行役員の近 健太氏(写真:右)が就く。
ちなみにCIOは日本語で、「最高産業責任者」などと訳される。トヨタ社内だけではなく、自動車産業全体や外部の産業との連携・戦略を担当する役割だ。
今回のポイントは、ただのバトンタッチではなく、役割分担をハッキリさせた体制変更だ。トヨタの説明では、佐藤氏は「自動車産業や社会」に軸足を置き、近氏は「社内の経営」を中心に見る。要するに、外側と内側にフィールドをわけて、意思決定にスピード感をつけるという狙いがある。
次期社長となる近氏は、海外でも財務に強いということで広く認知されている。生産や商品といった現場の強みに加えて、「数字と経営で会社をまわす力を前面に出していく」と意気込みを語った。
クルマ好きや一般ユーザー目線でいうと、「今日や明日で車種が激変する」という話ではない。ただ、いま自動車業界は、電動化だけでなくソフトウェア、サプライチェーン、国際競争など、判断が遅れるほど不利になりやすいテーマが山ほどある。そこで今回の2枚看板体制は、そうした状況で判断と実行を前に進めるための、攻めの組織づくりといえるだろう。
今後の注目点は大きくふたつ。ひとつは、近新体制で「稼ぐ力や投資の優先順位」がどう整理されていくのか。もうひとつは、佐藤氏がCIOとして、「自動車産業にどんな連携や打ち手を示していくか」だ。まずは4月1日の体制発足後の会見や決算説明といった、トヨタの具体的な方針発信に注目したい。
