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SUVじゃなくて「あくまで新しい形のスポーツカー」って言い張った! ガチでその後のクルマ界を変えた「ポルシェ・カイエン」【21世紀スーパーカーFILE #017】

SUVじゃなくて「あくまで新しい形のスポーツカー」って言い張った! ガチでその後のクルマ界を変えた「ポルシェ・カイエン」【21世紀スーパーカーFILE #017】

この記事をまとめると

■911・ボクスターに次ぐ第3のモデルとしてSUVのカイエンが2002年に登場した

ポルシェ・カイエンは発売直後から大人気を得た

■カイエンの成功はポルシェが21世紀に飛躍的な成長を遂げる理由のひとつである

登場が待ち望まれていたポルシェの4ドアモデル

 かねてからデビューが噂されていた、当時のポルシェにとっては「911」、「ボクスター」に続く、第3のモデルがオフィシャルデビューを飾ったのは、2002年9月に開催されたパリサロンでのことだった。それはポルシェが初めて挑むプレミアムSUVであり、今後、さらに大きな成長が見込まれるその市場に、魅力ある商品とともに参入したかったフォルクスワーゲンもまたそれを強く望んでいたことで、ポルシェも強大なグループの力を背景とした、まさに万全の開発体制を整えることが可能になった。

 実際にそのニューモデルには「カイエン」の名が与えられた。パリサロンでその姿を初めて見た者は、ついにポルシェがプレミアムSUVの世界に進出を果たしたという事実に改めて驚かされたはずだが、ポルシェ自身はこのときカイエンを、SUVではなくあくまでも「新しいボディフォルムをもつスポーツカー」と表現するにとどめている。

 ランボルギーニが2018年に「ウルス」を「SSUV(スーパースポーツSUV)」として、またフェラーリは2022年に「プロサングエ」を「4ドアスポーツ」とカテゴライズしているが、ポルシェはそれより約20年も前に、同じようにカイエンというニュープロダクトがもつコンセプトを、世界にどうアピールするかに悩んでいたのだろう。

 だがポルシェの心配とは裏腹に、カイエンは販売が開始されると世界中ですぐに高い人気を得ることになる。カイエンに使用されたプラットフォームは、フォルクスワーゲン・トゥアレグのために開発したものと共通で、このトゥアレグも同じパリサロンで世界初公開されていた。

 ちなみにカイエンの生産はパワーユニットをポルシェ伝統のツッフェンハウゼン工場で生産し、アッセンブリーは旧東ドイツのライプツィヒに新設された工場で行われるシステム。多くのドイツメーカーがアメリカでSUVを生産していたのに対して、ポルシェはあくまでもドイツ製であることを重視した。

 カイエンのファーストモデルとしてデビューしたのは「S」と「ターボ」の両車だった。搭載エンジンはいずれも4.5リッターのV型8気筒で、自然吸気のSは340馬力、ターボはそれにツインターボを組み合わせたもので、最高出力は450馬力を発揮するに至っている。

 ミッションは6速のティップトロニックS、駆動方式は多板クラッチによるフルタイム4WDで、通常時には前後の駆動力配分は38:62に設定されていた。6ポッドのモノブロックキャリパーを備えるフロント・ブレーキシステムや、ポルシェ自慢のスタビリティ・デバイスPSMの採用など、シャシーのディテールもまさにポルシェの作といった印象である。注目の最高速はSが242km/h、ターボは266km/hと発表された。

 そしてこの初代カイエンには、その後もさまざまなモデルが追加設定されていく。2003年には3.2リッターのV型6気筒エンジンを250馬力のスペックで搭載し、6速MTのチョイスも用意したベースモデルの「カイエン」が、また2006年には大幅なマイナーチェンジによって、カイエン、S、ターボのすべてでエンジンの排気量を拡大して性能を向上。2007年にはSをベースに405馬力にまで出力を強化するとともにターボの専用エクステリアを与えた「GTS」を追加。さらに2008年には初代カイエンでは最強モデルとなったターボベースの550馬力仕様の「ターボS」も発表されている。

 そして、セールス面で大きな成功を収めた初代カイエンは、2010年に次世代モデルへとその市場を譲ったのだ。現行型のカイエンは2018年に発表された第3世代となる(第4世代は2025年11月に、BEVのみが発表されている)。新しいボディフォルムをもつスポーツカーたるカイエンの成功は、ポルシェが21世紀に飛躍的な成長を遂げる大きな理由のひとつとなったことは間違いない。

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