
この記事をまとめると
■SUVやミニバンの台頭で5ナンバー級のセダンは日本から消滅した
■一方でメキシコでは日産のコンパクトセダンであるヴァーサが好調
■ビッグマイナーチェンジで日本でも通用しそうな商品力を得た2026年モデルを紹介する
日本では消えたコンパクトセダン
かつて日本の道路を埋め尽くしていた5ナンバーサイズのセダンは、SUVとミニバンの波に飲み込まれ、市場から静かに姿を消していった。しかし、世界に目を向けると、このサイズのセダンが依然として強い存在感を示している市場がある。メキシコだ。そして、その市場を15年連続で支配し続けているのが、日産の「ヴァーサ」である。
日産メキシコは3月4日、新型ヴァーサの2026年モデルを発表した。ヴァーサは2011年のメキシコ市場投入以来、累計販売台数100万台を突破し、メキシコでもっとも売れているクルマという地位を確立してきた。
ヴァーサのボディサイズは、全長4496mm×全幅1740mm×全高1461mm、ホイールベース2601mmだ。これを日本の5ナンバー枠(全長4700mm以下、全幅1700mm以下、全高2000mm以下)と比較すると、全幅こそ40mm超過するものの、ほぼ5ナンバーサイズに収まる寸法となっている。かつての日本市場を支えたカローラアクシオ(全長4400mm×全幅1695mm)やグレイス(全長4440mm×全幅1695mm)とほぼ同等のサイズ感だ。
ヴァーサは、北米やタイ市場では「アルメーラ」という車名で販売されている。アルメーラの過去のモデルは、ラティオとして日本でも販売された経歴がある。今回発表された2026年モデルの新型ヴァーサはビッグマイナーチェンジであるため、各仕向地向けのアルメーラも順次刷新されると考えていいだろう。
新型ヴァーサの最大の特徴は、日産の新たなデザイン言語を取り入れたエクステリアデザインだろう。2段構造でワイド感を強調したフロントマスクは、現行エクストレイルとも近しいイメージだ。
インテリアでは、12.3インチのタッチスクリーンディスプレイが目を引く。これはこのセグメントでは最大級のサイズで、ワイヤレスApple CarPlayとAndroid Autoに対応する。メーターには7インチTFTデジタルディスプレイが採用され、運転に必要な情報を見やすく表示する。ワイヤレス充電器も標準装備され、オプションでBOSE 8スピーカーシステムを選ぶこともできる。
ヴァーサが用いるのは日産Vプラットフォーム、つまり先代E12型ノートや日本市場での現行キックスと同一の1世代古いものなのだが、インテリアの仕立ては現行世代のノートなどと同等の質感・装備を備えている。
パワートレインは1.6リッター直列4気筒HR16DEエンジンで、最高出力118馬力、最大トルク110lb-ft(約149Nm)を発生する。トランスミッションは5速MTまたはCVTの設定となる。
日本市場でヴァーサが正式に販売される可能性は低いが、アーキテクチャを共有するモデルを考えれば、技術的にはe-POWERの搭載も難しくないはずだ。そして、これまでのコンサバティブなコンパクトセダンとは一線を画したスタイリッシュなエクステリアと充実した装備があるのだから、いくぶんかのユーザーを掴めそうにも思えるのだが、いかがだろうか。
