
この記事をまとめると
■R35GT-Rは2025年8月の生産終了までに約4万8000台がデリバリーされた
■18年の歴史のなかでさまざまな特別仕様車が販売されていた
■EGOISTはプレミアム性を全面に押し出した異色のモデルであった
美を追求したもう1台のGT-R
2025年8月26日をもって、18年に渡って生産された国産スポーツの至宝、日産GT-R(以下:R35GT-R)の生産が終了。18年の間で約4万8000台、さまざまな仕様が世界中のユーザーにデリバリーされた。デビュー前のプロトモデルでは、世界一過酷なサーキットでお馴染みのドイツ、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにて、7分38秒5というタイムを記録。あまりの速さに欧州の某スポーツカーブランドから異議を唱えられた伝説をもっている(その後市販モデルで7分27秒56というタイムに記録を更新)。
最終モデルでは、新車価格がもっともリーズナブルなモデルでも1500万円程度にまで値上がりしてしまったが、世界の名だたるスーパースポーツを余裕で相手にできるモデルが、当時たった777万円で販売されていたのだから、いま思えばバーゲンプライスどころの騒ぎではない(2007年当時の国産車の価格を考えたらめちゃめちゃ高かったが……)。
さて、多くの伝説を残してきたそんなR35GT-Rだが、18年の歴史を振り返ると、異質なモデルが何台か存在している。先日WEB CARTOPでは、当時のR35GT-Rより600万円ほど高額であったスパルタンなモデル、スペックVを紹介したが、その2年後になんとも風変わりなモデルが存在していた。
それが、EGOIST(エゴイスト)である。EGOISTとは、悪くいえば「利己主義者」や「自己中心」といった意味をもつが、一方で「独自性が強い人」を指す場合もあるという。響きからしてもう強そうだ。
ではどんなモデルなのか。
じつはこのEGOIST、GT-Rでありながら走りを全面に押し出したクルマではないのだ。では何が売りなのか。最大のトピックはインテリアにある。このグレードでは、通常のR35GT-Rとは異なり、インテリアに購入したオーナーが自分だけの仕様にできるという、欧州のスーパーカーブランドにあるようなオーダーメイド方式を取り入れたことが特徴だ。
カラーに関しては、アッパーカラー4色、ロアカラー10色の合計20種類の組み合せから選択できる。さらにインテリアに使われる表皮は、ドイツの工房「シートン ミュルハイム・アン・デア・ルール」に空輸し、1台ずつ厳選された本革を職人が手作業で縫製、貼り込みを行うという、非常に手間のかかる方法を採る。
「自分だけの1台!」というのは組み合わせの数的に難しいかもしれないが、大量に売れるようなクルマではないだけに、まず被ることがないオリジナリティの高いGT-Rが手に入るのである。しかし、これだけこだわった革シートであっても、サーキット走行もこなせるホールディング性を担保しているのは、さすがはGT-Rといったところ。
