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運転手付きで乗るショーファーなのにクーペってどういう用途? センチュリークーペが目指すものとは (2/2ページ)

運転手付きで乗るショーファーなのにクーペってどういう用途? センチュリークーペが目指すものとは

この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショー2025でセンチュリーのクーペ版がお披露目された

■設定の狙いは「センチュリーのブランド化」が背景にある

■裕福ながらもスーパーカーが買えない環境の人に刺さる1台になると思われる

センチュリークーペの存在意義

 ジャパンモビリティショー2025には、さまざまなプロトタイプが出品された。そのなかでもとくに注目された車種が、クーペスタイルのトヨタセンチュリーだった。

 初代センチュリーは、後席にオーナーなどが座るVIPセダンとして1967年に発売された。その後、30年間もフルモデルチェンジを行わず、2代目は1997年に登場している。2018年に3代目の現行型に切り替わった。
新たな動きとして注目されたのは、2023年にSUVスタイルのセンチュリーが追加されたことだ。北米で販売されるグランドハイランダーのプラットフォームをベースに開発されたと見られ、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の数値も2950mmで等しい。

 このSUVスタイルのセンチュリーが示したことは、センチュリーをシリーズ化して、複数の車種をそろえるブランド化だ。ジャパンモビリティショー2025にセンチュリークーペを出品した背景にも「センチュリーのブランド化」がある。

 ちなみにトヨタは、1989年に北米でプレミアムブランドのレクサスを発足させ、日本でも2005年に開業した。ただしレクサスの目的は、北米などの海外と日本では大きく異なる。

 北米におけるトヨタ車は、1970年代のオイルショックで「燃費が優れ、壊れにくく、価格が安い」ことを特徴に売れ行きを伸ばした。実用車の代表だから、トヨタのブランドイメージは高級車との親和性が低い。そこでこの市場に入り込むため、高級車専門のレクサスブランドを立ち上げた。

 一方、日本国内ではトヨタが一番のブランドだ。今のクラウンは違うが、以前は新型クラウンが登場すると、実車を見ずにロイヤルサルーンを注文するユーザーが多かった。トヨタというメーカーと、クラウンという商品に、絶大な信頼を置いたからだ。日本のクルマ界に、これ以上のブランドは存在しない。

 しかし近年は、トヨタにも保守的なイメージが生まれ、トヨタ車からメルセデスベンツやBMWに乗り替えるユーザーが増えた。そこで北米の開業から16年も経過した2005年に、日本版レクサスを立ち上げ、セルシオもレクサスLSへ移行させた。

 このように海外のレクサスは高級車市場を攻めるブランドで、日本のレクサスは国内の高級車市場を守るブランドだ。

 自動車ビジネスとしては、トヨタブランドとレクサスブランドがあれば十分だが、トヨタはロールスロイスのような領域にも踏み込みたいのだろう。少なくともユーザーからはそう見える。

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