この記事をまとめると
■全日本ダートトライアル選手権PN3クラスに新型マシンが続々参戦している
■ロードスターやレクサスISなど個性派が登場して新たな戦い方を模索中
■依然としてGR86/BRZ勢が優勢だが今後の勢力図が変わる可能性も
打倒GR86/BRZを目指すニューカマー
2026年の全日本ダートトライアル選手権にはEJ25型エンジンを搭載したトヨタMR-Sや筑波タイムアタックマシンをベースとするスズキ・スイフトに続いて、同じくEJ25を搭載したミッドシップ&センターハンドルのGR86が登場。二輪駆動のアンリミテッドクラス、D1クラスには魔改造が施されたさまざまなモンスターマシンが集結しているが、1600cc以上の後輪駆動モデルを対象にしたPN3クラスも車種バリエーションが多彩になってきている。
これまで同クラスでは、トヨタGR86/スバルBRZの2.4リッターエンジンを搭載したFRモデルが主流となってきたが、3月21日〜22日、三重県のいなべモータースポーツランドで開催された開幕戦「トライアル関西inいなべ」で、2リッターのエンジンを搭載したマツダ・ロードスター(RF)がデビュー。
さらに4月11日〜12日に広島県のテクニックステージタカタで開催された第2戦「KYUSHU SPRING TRIAL IN TAKATA」では3.5リッターのV型6気筒エンジンを搭載したレクサスISが登場するなど、まさにPN3クラスが大盛況を迎えつつあるのだが、なぜ、彼らは実績のあるトヨタGR86/スバルBRZではなく、新たなモデルでチャレンジしているのか? というわけで、今回はニューマシンをもち込んだチャレンジャーをクローズアップしたい。
まず、2026年の全日本ダートトライアル選手権において、PN3クラスを語る時に欠かせない存在となるのが、ロードスターをいち早くもち込んだ南優希選手だといえるだろう。南選手はこれまでスズキ・スイフトを武器に1600cc以下の二輪駆動クラスであるPN1クラスを戦ってきたドライバーだが、2026年よりロードスターにマシンをスイッチし、PN3クラスにチャレンジ。
その理由について南選手は「後輪駆動モデルでPN3クラスに出てみたい……という気もちがあったんですけど、GR86/BRZではみんなと同じになってしまうので面白くない……とも思っていました。同時に僕はマツダの社員なんですけど、自分たちの作っているクルマに2リッターのエンジンを搭載したFRモデルがありましたし、ジムカーナを見てもロードスターは軽量で足まわりもよいこともあって、GR86/BRZを相手に十分に戦えていたので、ダートトライアルでも勝負になるんじゃないか……という気もちからロードスターにチャレンジしてみました」と語る。
ちなみにPN3クラスは改造範囲が厳しく制限されていることから、競技車両といえどもロールケージ(オクヤマ)にダンパー(テックノック)とスプリング(ハル)、LSD(OS技研)、アンダーガード(自作)、リヤウイング(ボルテックス)、ブレーキパッド(プロジェクトμ)、バケットシート(レカロ)、レーシングハーネス(サベルト)程度だが、それでもフィーリングは上々で、南選手は「たしかにストレートやコーナーのピックアップは2.4リッターのエンジンを搭載したGR86/BRZのほうがよさそうですが、ロードスターは車両重量が軽く、足まわりがよくてトラクション性能も高いので、十分にカバーできていると思います」と手応えを語る。
事実、南選手はロードスターの投入2戦目にもかかわらず、タカタ大会で躍進。第1ヒートでベストタイムをマークしたほか、第2ヒートでも3位入賞を果たし、表彰台を獲得しただけに、ロードスターの熟成が進んでくれば、さらなる飛躍が期待できることだろう。
