
この記事をまとめると
■レーシングドライバーも人間なので体調不良になることもある
■多くのドライバーは体調不良になってもレースは走れてしまうという意見が目立つ
■薬を飲むにしてもレース後であったり体調不良もレース後に再発することが多いようだ
急な体調不良! ……レーシングドライバーはどう対応する?
プロのレーシングドライバーといえども人間だ。ほかのアスリート同様に頭痛や腹痛、あるいは発熱など急な体調不良は起こりうるのだが、彼らレーシングドライバーはどのように対処しているのか? ましてハイスピードでサーキットを走行するレースシーンでは一瞬の判断ミスが大きなクラッシュへ繋がることも珍しくはないが、果たして体調不良をどのように乗り越えているのか?
というわけで、4月18〜19日、スーパー耐久シリーズ第2戦の舞台、鈴鹿サーキットでトップドライバーたちを直撃してみた。
最初に話をうかがってみたのが、D’station Racingの47号車「D’station Porsche 992」でST-1クラスに参戦する田中哲也選手。
「基本的には気合いです。過去に何回か熱を出したことがあるんですけど、眠くなる成分がある薬を飲んでしまうと反応が鈍くなることがあったし、40度の熱があるなか、サーキットを走行しても身体がきついだけでラップタイムは変わらなかったので、薬を飲まないようにしています。過去に2回だけ40度以上の熱があったときは、走行後に病院に行って点滴を打って、翌朝、サーキットへ戻ったことはありますが、気合いが入っているせいか、それ以外は問題なく走れています」とのこと。
さらに、日本自動車大学校の72号車「OHLINS CIVIC NATS」でST-2クラスに挑む山野哲也選手も、「いまでもそうなんですけど、走る前に体調が悪くても、走り始めるとなんとかなってしまう。アドレナリンなのか、集中力なのか、汗をかくことによって身体が回復する方向に進むのか、よくわかりませんが、とりあえず走れる状態にはなっています。もちろん、レースウィークに入って風邪気味だったりしたら、風邪薬を飲んだり、水分を取ったりなどできることは全部しますが、走行当日は走っちゃえばなんとかなることが多い」と語る。
つまり、ベテランドライバーは急な体調不良に対して気合いで乗り切っているようだが、じつは中堅ドライバーたちも、レースウイークにおける体調不良に対して特別な対応を行っていないようで、メンタル面が大きく影響しているようだ。
TEAM ZEROONEの25号車「日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4」でST-Zクラスに参戦する富田竜一郎選手は「おそらく僕は神経質なほうでして、レースウィークは緊張していて、アドレナリンが出ているのか、体調が悪くても気づかない。レースが終わってしまうと帰りの新幹線がしんどい……ということがよくありますね。食事面には気をつけているので、レースウィークにお腹がいたくなることはないんですけど、首や頭が痛くなることはあるので、身体を温めるとか、動かしてみるとか、とにかく寝てみるとか、できることはやってみます。痛み止めも飲むものと塗るタイプのものとか、ひととおりはもっていきています」と語る。
さらに、埼玉Green Braveの52号車「埼玉GB GR SUPRA GT4 EVO2」でST-Zクラスに挑む吉田広樹選手も「急に頭が痛くなったり、お腹が痛くなったりといった経験はないですね。風邪をひいて体調が悪い……という経験はありますが、熱が高いときは薬を飲んで、スポーツ飲料水を飲んで寝る……といった感じです」とのことで、やはりこちらも特別な対応を行っているわけではないようだ。
このようにレーシングドライバーの多くは、張り詰めた緊張感からか、レースウィークに急な体調不良に見舞われても自然に克服しているようで、どんな状況においても、高いドライビングスキルを披露しているのである。
