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日本の物流現場が生み出した大発明! ウイング車がもたらした多大なるメリット (1/2ページ)

日本の物流現場が生み出した大発明! ウイング車がもたらした多大なるメリット

この記事をまとめると

■ウイング車は平ボディとバンボディの長所を融合するために誕生した

■1969年に日本フルハーフが実用化し日本発の物流車両として普及

■パレット輸送やフォークリフト荷役の拡大が急速な普及を後押しした

日本の物流事情から生まれた大発明

 高速道路のサービスエリアや物流センターで、荷台の側面を大きく跳ね上げたトラックを見かけることがあるだろう。左右のパネルが屋根ごともち上がり、まるで大きな鳥が翼を広げたように見える。これがウイング車というトラックだが、その正式名称はウイングボディ車だ。いまでは日本の物流に欠かせない存在だが、その歴史をたどると、単なる車体の進化ではなく、荷物の積み方、倉庫の使い方、そしてドライバーの働き方まで変えてきた、じつに日本的な物語が見えてくる。

 ウイング車が生まれる前、貨物トラックの代表格は平ボディとバンボディだった。平ボディは後部に隔てられた空間をもたないため、荷台の上からでも横からでも積み下ろしができるため、フォークリフトを使えるので荷役作業は迅速にできる。しかし、遮蔽物がなにもないために荷物は雨風にさらされやすく、走行中の飛散や荷崩れを防ぐためにシート掛けが必要だった。平ボディには必須のシート掛けは、シートをロープで縛り、到着すればまた外すという作業があるため、積込や荷下ろしが楽でも作業には時間も体力も使う。

 いっぽうで、箱型のバンボディは荷物を雨風から守れるが、基本的には後ろの扉から積み込むため、奥の荷物を扱いにくいという弱点がある。また荷台の内部で作業する必要もあり、パレット輸送やフォークリフト荷役との相性には限界があるのも事実。そこで平ボディのように横から一気に積み下ろしでき、さらにバンボディのように荷物を守れる車体は作れないか。その発想から生まれたのがウイングボディだ。

 背景には、高度経済成長期の物流量増加がある。工場から倉庫へ、倉庫から店舗へと、大量の荷物を短時間で運ぶ必要が高まっていた時代である。トラックはただ走るだけでなく、積む時間、降ろす時間まで含めて効率化を求められるようになっていた。

 実用化への大きな一歩は1960年代後半に訪れる。日本フルハーフは1967年、ボトル輸送用ボディに左右一対の上開き式ウイングを備える構想を考案したとされる。そして1969年4月、日本フルハーフ製のボトル運搬用ウイング車が本格的な営業運行に投入された。

 初期のウイング車は現在のようなアルミパネル式ではなく、パイプフレームと幌を使った構造だった。ウイング部分も現在ほど荷台全体を覆うものではなく、サイドの一部を開閉する形に近かった。それでも、横から荷物を扱えるうえ、走行中は幌で保護できるという発想は画期的だったのだ。

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