この記事をまとめると
■中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の封鎖がシンナー供給に深刻な影響を与えている
■パブコなどの架装メーカーがボディ塗装を停止する対応をとっている
■イラン情勢は燃料の高騰以外にも物流業界にさまざまな影響を与えている
架装メーカーがトラックのボディのペイントを停止へ
いまだ収束のめどが見えていないイラン情勢。アメリカのトランプ大統領がイランの港湾の封鎖を継続すると表明し、イランのハメネイ師は同国の核及びミサイル技術を放棄しないとともに、ホルムズ海峡の支配の維持を宣言。これにともない、ホルムズ海峡は当面封鎖解除されず、同海峡を経て世界各国に供給される原油の流通もいつ再開されるかわからない状況にある。
このイランをはじめとする中東情勢の悪化による流通の悪化は、石油を原料とする塗装材料にも大きく影響している。塗料やシンナー等の石油製品の供給が止まり、すでに街の鈑金塗装工場などでも新規の施工を断っているという話も各地で耳にしている。
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この塗装材料の供給不安は、トラックの製造にも大きな打撃を受けている。トラックのボディ(荷台)に各車両ごとに描かれる流通会社や荷主などのコーポレートカラーやロゴ。これには多くの塗料が使用される。そのため、そのトラックのボディを制作・架装する架装メーカーが顧客からオーダーを受けるボディの塗装が不可能な状態に陥り、一部メーカーではこれらの塗装を停止せざるを得ない状態になっているのだ。
三菱ふそうトラック・バスの系列架装メーカー「パブコ」では、原油及びナフサなどの供給不安に鑑み、防錆などトラックの機能面で必要な塗装まで行って納車するという対応を顧客に提案している。いすゞ自動車などが出資している大手架装メーカー「日本フルハーフ」では、代替品の調達や関係各社との調整など、影響の最小化に向け対策を行っているが、現時点では安定供給への回復見通しがたっていないとのことだ。
各社とも営業担当が顧客への個別の状況の説明と対応について相談するなど対応しているというが、その回復への見通しは不透明なままだ。
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トラックのボディのペイントは、いわば運送会社や荷主の「顔」。それが新しく製造されるトラックには施工できないという、架装メーカーにとってもユーザーにとっても深刻な状態に陥っている。トラックのペイントに使用される塗料や希釈材料などを使用する量は、乗用車のそれとは比較にならない。ガソリン価格の高騰などが毎日の報道で話題になっているが、トラック業界では車両の製造・架装の面で深刻な問題を抱えている状況になっているわけだ。しかもその状況の回復のめどもたっていない。
イランとアメリカ・イスラエルとの戦争の終結に向け、交渉は進められているというが、その終結とイランおよび中東情勢の回復は「トランプ次第」。極端ないい方をすれば「トランプの気分次第」といったいびつな状態になってしまっているといっても過言ではないだろう。
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石油の供給状況の回復への願いは、ガソリンなど燃料だけではない。きれいなペイントが施された新しいトラックが全国のまちなかや街道を走り、流通が活発になるためにも、イランの戦争と中東各地の紛争は一日も早く集結させてもらいたいものだ。