この記事をまとめると
■トラックの荷台から黒い牙のようなゴムホースがぶら下がっている場合がある
■牙のようなゴムホースの正体は荷室内で溶けた霜を排出する排水用のパイプだ
■主にホームセンターなどで売っているウォーターパイプを用いて作っている
トラックからぶら下がってる牙の正体
走行中にバンタイプトラックの後ろについたとき、妙に存在感のある黒い牙のようなパーツを目にしたことはないだろうか。それもほとんどが左右2本でワンセットになっているのだから、かなり目立つわけだ。その意味や役割について知らなければ、いったいなんのために装着されているのかと、疑問に思うのは当然だろう。
最初にこの牙の正体を解説しておくと、これは排水用のパイプなのだ。呼び方は「ウォーターホース」「ウォーターパイプ」「水抜きホース」などバリエーションはあるものの、すべて役目は同じで、荷室から水を排出するために使われる。その水は主に庫内で溶けた霜だが、走行中や荷役中に発生する結露なども含まれる。こうした役目として使われるウォーターホースだが、牙のように弧を描いているものが今回のメインテーマだ。ではさっそくこのウォーターホースについて説明していこう。
トラックのウォーターホース画像はこちら
そもそもウォーターホースすべてがアフターパーツということではなく、架装メーカーが同じようなホースを作っている。しかし純正として採用されているウォーターホースは非常に地味な見た目をしている上に、今回取り上げるような牙の形はしていない。
ではなぜ大きく反り返った牙のようなウォーターホースが存在するのかというと、そのルーツはどうやら1990年代に生まれたデコトラのアートアップにあるようだ。当時を知る人によれば、ウォーターホースを大きく曲げて取り付けることがブームだった時期もあるらしく、なかには荷室の床面を貫通させないダミーのホースを取り付ける車両が多くあったらしい。いわゆる「なんちゃってウォーターホース」だ。
しかし、ここで筆者はひとつの仮説を唱えたい。それはウォーターホースを牙のように見立てたのは、その製品の特性からではないだろうかということだ。
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取材でトラックパーツショップに訪れたときに、店の片隅に置かれている黒い物体を見つけたときのことだ。最初は何のために使うパーツかわからなかったが、書かれている商品名を見たときにその役目が理解できた。重要なのはその形だ。ウォーターパイプの材料はゴムなのだが、売られている状態を見るとすでに弧を描いている。これは製造したあと、適当な長さに切ったものが自然と丸まったものだと思われるが、この形を見て「おっ、これをそのままトラックの後部につけたら牙みたいでカッコイイじゃん」と思ったドライバーがいたのではないだろうか。
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そして実際につけてみると、この適度な反り返り具合が迫力を演出し、デコトラファッションのなかで大ブームになったとは考えられないだろうか。さらに先端を斜めにカットすることで、シャープさを演出するという技も生まれたのだという流れではないだろうか。
こうした筆者の仮説とは別にあるトラックドライバーの話によると、このウォーターホースを路面すれすれまでの長さで取り付けると、荷物を積んだ時に車高が下がり、その結果、ゴムの先端が路面で削れて勝手に斜めになっていくというのだという。
このようにトラックに付けられた牙については諸説あるが、あまり大げさに飛び出たものは法令的に違反となることも付け加えておく。
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最後に牙について簡単にまとめておこう。
トラックの後部に取り付けられた牙のような物体の正体は、排水用のウォーターホースで、その通称は「象牙ホース」。さらにウォーターホースは純正でも装着されているが、ドレスアップパーツとしてもその存在感が注目された時期がある。そして今でも時折、存在感のある象牙ホースを到着しているトラックを見かけることがある。