ハイエースもランクルもジムニーもめちゃくちゃご長寿! なぜ商用車やクロカン四駆はなかなかフルモデルチェンジしないのか?

この記事をまとめると

■ハイエースやジムニーなどは14〜20年以上生産される長寿モデルが多い

■ラダーフレーム構造や商用車系開発体制が長寿命化の背景にある

■市場規模や耐久性重視の設計思想も長いモデル周期に影響している

“長く使える道具”という思想が根底にある

 トヨタ・ハイエースや日産キャラバンのような商用車、トヨタ・ランドクルーザーやスズキ・ジムニーのような悪路向けのSUVは、全般的にフルモデルチェンジを行う周期が長い。

 たとえば商用バンのハイエースは、5代目の現行型が登場したのは2004年だからすでに22年を経過する。4代目の発売は1989年に遡り、約15年にわたり生産された。ライバル車のキャラバンは、5代目になる現行型の発売は2012年だが、14年を経過する。4代目は2001年から2012年まで11年間生産された。

 悪路向けのSUVでは、ランドクルーザー70が超絶的な長寿モデルだ。1984年に発売され、40年以上にわたりフルモデルチェンジされていない。これは特殊な例だが、ランドクルーザー200も2007年に発売されて2021年にランドクルーザー300が登場するまで14年間にわたり生産された。

 軽自動車サイズのSUV、ジムニーもフルモデルチェンジの周期が長い。4代目の現行型は2018年に発売されたが、先代型の3代目は1998年に登場し、20年間も生産された。

 商用バンと悪路向けのSUVに共通する特徴は、耐久性に優れたラダーフレーム、あるいはこれに準じたビルトインフレームを備えることだ。同じSUVでも、ランドクルーザーのようなラダーフレームを使った悪路向けの車種と、ハリアーやヤリスクロスのような乗用車系プラットフォームを使うモノコックボディのシティ派では、開発方法から耐用年数まで大きく異なる。モノコックボディの乗用車とラダーフレームの車種で開発部門をわけている場合もある。

 開発部門をモノコックとラダーフレームでわける形態では、ラダーフレームを使ったSUVは商用車に準じた開発方法とスケジュールになる。そのために前述のとおり、フルモデルチェンジの周期が14年から20年以上に達する。ハリアーやRAV4が6年から7年程度でフルモデルチェンジするのに比べて圧倒的に長い。

 ラダーフレームを備えた車種のフルモデルチェンジ周期が長い背景には複数の理由がある。まずは一般的な乗用車に比べてライバル車同士の競争が激しくないことだ。とくに2000年ころまでの乗用車は、定期的に外観で新鮮味を打ち出したりボディを拡大して購買意欲をあおらないと売れ行きを下げた。商用車にはその心配がない。

 技術進歩も異なる。乗用車は各種の快適装備も含めて新開発の装備が多いが、商用車は、以前はそれほどでもなかった。ただし最近は、商用車にも衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能が装着され、昔に比べて最新技術を豊富に採用する。そこで設計を刷新する必要も生じている。

 商用車は使用年数も乗用車と異なる。今は乗用車の平均使用年数(平均寿命)も14年近くまで延びたが、商用車は約16年で、走行距離が短い車両は20年前後も使われる。悪路向けのSUVも耐久性が高く、平均使用年数も長い。フルモデルチェンジの周期も使用年数に合わせて長くなっている。

 生産台数も影響を与える。乗用車は海外向けも含めて生産台数が多いが、商用車や悪路向けのSUVは乗用車に比べて市場が小さい。そこでフルモデルチェンジの周期を長くして開発費を抑える。ハイエースのような商用車やランドクルーザーなどの悪路向けのSUVは、このようなさまざまな事情によってフルモデルチェンジの周期が長い。


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