
この記事をまとめると
■ホンダ・シビックの歴代モデルからベストなデザインをもつモデルを選出
■3代目のシビックは1980年代のモダンさを一気に取り込んだ革新的な1台だった
■この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーとグッドデザイン賞をダブルで獲得している
1980年代はホンダの黄金期!
長寿モデルをはじめ、何代かに渡って販売されるモデルはそれぞれの時代を反映させたコンセプトが盛り込まれており、もちろんそれはスタイリングにもいえること。そこで、そんな各歴代のなかからあえてベストデザインを選んでみるのがこの企画です。何しろ個人的な意見ゆえ、苦情反論は受け付けませんので悪しからず(笑)。
●斬新な3タイプの車種展開に驚き
本シリーズ11回目となる今回取り上げるのは、ホンダのシビックです。1972年の初代以降、日本市場で展開されなかったモデルも含め、じつに11代におよぶロングセラー。それだけに振り幅の大きいスタイリング変更が行われてきたのが特徴ですが、そのなかで、今回は1983年発売の3代目(AG型他)をベストデザインにしたいと思います。
比較的クラシックな佇まいだった先代に対し、1980年代のモダンさを一気に取り込んだ3代目は、3ドアハッチバックと4ドアセダンに加え、5ドアを用意するワイドバリエーションがユニークでした。
「エアロライナーシェイプ」を謳う3ドアは、超ロングルーフにより居住性と空力を高い次元で両立。さらに、コーダトロンカ風にリヤをバッサリ切り落とすことで、競合車にはない個性を打ち出しました。
一方、「エアロウエッジ」を謳った4ドアセダンは、まさに強いウエッジ感に溢れるボディが斬新。その上に載る大きなキャビンは、ラウンドしたリヤガラスと相まって高い居住性を視覚的にも訴えます。もちろん、ハイデッキスタイルはトランク容量にも寄与。
シャトルと名付けた5ドアは、当時流行のRVスタイルを適度に取り入れることで独自のプロポーションを獲得。ルーフまでまわり込んだリヤクオーターウインドウが比較的大きなボディに軽快感を与えています。
●本質的な新しさを提示したデザイン黄金期
3車種いずれもプレスドアを用いることでプレーンな面を見せ、非常に特徴的でありながらもシンプルなボディとなっているのが出色。また、3ドアのリヤガラスやシャトルのリヤまわりなど、ボディの要所をブラックで引き締めているのも効果的です。
さらに、ボディとは別色のグレーバンパーもまた斬新で、丸形にくり抜いたアルミホイールは先進感とモダンさを打ち出しました。基本的には当時ホンダが積極的に打ち出していた「M・M思想」を強く反映したスタイルですが、鈍重にならないばかりか、逆に極めてスポーティであるのは驚きでもあります。
プレリュードやアコードなど、1980年代前半はホンダデザインの黄金期ともいえる時期ですが、シビックはその中心的な存在として、当時の日本カー・オブ・ザ・イヤーとグッドデザイン賞をダブルで獲得。しかし、その後は北米メインのモデルらしく肥大化傾向にあるのは周知のとおりで、日本市場でのシビックの立ち位置は大きく変化しました。
個人的には、10代目(FK5/6型)のダイナミックかつカタマリ感のあるスタイルに一瞬の可能性を感じましたが、それが継承されることはありませんでした。また、シンプルデザインに回帰した最近のホンダですが、現行の11代目を見るにつけ、「真の独自性」とは何かを考えざるを得ないところです。
