
この記事をまとめると
■ピニンファリーナとイタルデザインがそれぞれNSXを再解釈したコンセプトを発表
■初代と2代目をベースに異なる哲学で仕上げた
■超高額ながら世界中のファンから熱視線を集めている
世界を驚かせる”転生”
4月20日から4月26日までの1週間にわたって、イタリアのミラノで開催された「ミラノ・デザイン・ウイーク」。そもそもは世界最大規模の家具やインテリアの見本市に始まり、現在ではファッションはもちろんのこと、さまざまなテクノロジー企業などからも、最先端のデザインが披露される舞台にまで成長を遂げたこのイベントでは、ここ最近は自動車メーカーや、イタリア伝統のカロッツェリアから新作が発表されることも多くなった。
今年もまた、自動車の世界でも多くのトピックスが用意されていたミラノ・デザイン・ウイークだが、そのなかでもとくに興味深い存在だったのは、ともに「NSX」の名を掲げた2台のモデルだった。
NSXとはもちろん日本が誇るミッドシップ・スポーツカー、「ホンダNSX」を意味するもので、ひとつはピニンファリーナが初代NSXをベースに製作したレストモッドの「Tensei=転生」。そしてもうひとつはイタルデザインがより先進的なメカニズムをもつ第2世代のNSXに、初代NSXのビジュアルDNAを導入するというコンセプトで製作した「NSXトリビュート」だ。さっそく両車の概要を紹介していくことにしよう。
まずはピニンファリーナのTenseiからだ。現在でもなお、そのクリーンでスポーティなスタイルの魅力は色褪せることのない初代NSXのボディーだが、ピニンファリーナはそれをより現代的に、そしてアグレッシブな造形へと変身させることに成功している。ホイールベースは延長され、同時にリヤオーバーハングを短縮したことで、ボディーのサイドビューから感じる安定感はより強くなった。さらに前後のフェンダーを拡大するとともに、リヤセクションもウイングを含めてそのデザインを一新。正面からこのTenseiを捉えたオフィシャルフォトからは、個人的には1984年にピニンファリーナがフェラーリのために生み出した、「288GTO」の姿をイメージさせられたほどだ。
軽量なカーボンファイバーで成型されるボディーの先端やリヤコンビネーションランプのセンターには「JAS」のエンブレムが備わるが、これはこのモデルの開発に、ホンダのオフィシャル・レーシング・コンストラクターである、イタリアの「JASモータースポーツ」が関連していることを意味している。
現在の段階では詳細なスペックは発表されていないが、ミッドには420馬力の最高出力と350Nmの最大トルクを発揮する、自然吸気の3.5リッターV型6気筒エンジンと、6速MTの組み合わせからなるパワーユニットが搭載され、またキャビンもより高級な素材と最新の機能性をもつ装備を得た、最新スペックのものへと生まれ変わる。生産はミラノ近郊アルマーノにあるJASモータースポーツのファクトリーで行われ、実際のデリバリー開始は2027年から。価格は標準的な仕様でも100万ユーロ(約1億5900万円)に達する見込みだ。
