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東京都心を始めとして都市部で駐車場が余っている!  人口もクルマも多いのになぜ?

東京都心を始めとして都市部で駐車場が余っている!  人口もクルマも多いのになぜ?

この記事をまとめると

■都市部では住宅費や維持費の高騰などを背景に駐車場の空きが増えている

■大型車両の流行で立体駐車場や既存の駐車枠とのミスマッチも深刻化している

■将来的には自動運転の普及により地域施設などへの転用が進む可能性がある

諸費用の高騰に加えて「SUVブーム」も

 都市部で駐車場が余っているとの話はもう何年も前からある。その背景は複合的だ。ひとつは地価の高騰。これにより分譲も賃貸も、マンションなど集合住宅の支払い金額が高くなっている。都内のマンションは平均価格が1億円を超え、それを単純に30年の分割払いとして試算すると、月々28万円弱になる。ここでは金利を考慮していない。金利が付けばより高くなる。

 賃貸でも、都内でマンションと名がつくと家賃が20万円/月前後で、物件によっては分譲の月額に近い例もある。月極駐車場の支払額は、都内23区を例にすると5万円前後するだろう。つまり、東京に住んでクルマをもとうと思ったら、合計30万円前後の出費が毎月必要になる。

 クルマを所有するのも容易ではない。自動車損害保険や税金がかかり、ガソリン代にしても電気代にしても燃料費が不可欠。クルマをもつこと自体がそもそも大きな経済的負担となるのだ。

 所有ではなく利用の視点では、時間貸し駐車場などでも借りられるカーシェアリングが広がり、必要なときだけ使いたい車種を選べるようになった。レンタカーを借りる手もある。クルマの利便性は利用するという手法でかなえられる。

 東京都を含め大都市部は、人口の70%前後が集合住宅に住むとの統計がある。集合住宅では、平地の駐車に加え立体式が多くなり、それによって敷地の有効活用が促される。ところが、立体駐車場の利用には高さ制限がある。車体寸法の全高が1550mmを超えると利用が難しくなることが多い。しかし、いまの人気車種は、SUVやミニバンだ。立体駐車場に入りきらないクルマが増え、集合住宅の立体駐車場に余りが出ている。

 車体の大きさは月極駐車場にも及ぶだろう。3ナンバー車が増え、駐車枠には収まっても隣のクルマや塀との間が狭く出入りがしにくくなる。時間貸し駐車場では、幅にゆとりのある障害者向け車椅子用の枠に大柄なクルマを止めているのを見かけることがある。大きくて存在感のあるクルマには乗りたいが、止める場所に苦労している実態があるのだ。

 そこは戸建て住宅も同様だ。どうやって乗り降りしているのだろうと思うほど壁際に駐車している車庫を見ることも、都内ではめずらしくない。だが、駐車枠や立体駐車場の高さ制限を緩めるのは難しい。なぜなら、戸建て住宅であれば車庫より部屋の広さや数を優先したい。月極駐車場で枠を広げれば、駐車できる台数が減り収益が下がってしまう。

 あるマンションでは、強制的に立体駐車場を改修しようという論議があるそうだ。しかし、たとえば高齢になって免許証を返納しようと考えている人には無駄な投資になる。また、工事中はどこにクルマを止めるのかという課題も残る。

 将来像を模索するなら、自動運転が実用化できれば、運転手の居ない自動運転タクシー的な利用が可能になる。そうすれば1台のクルマの稼働率も高まる。しかも高齢者も障がい者も利用しやすくなる。そのうえで、所有したい人だけのための駐車場を確保し、空いた駐車枠は防災シェルターや健康維持の集会所、あるいは保育施設などに活用してもいい。

 クルマという世界から未来を考えても、そうした価値の転換を想像しはじめる時代になっている。

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